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2026年度介護報酬改定で何が変わる?訪問介護への影響を解説

2026年度介護報酬改定で何が変わる?訪問介護への影響を解説

公開日時:2024.10.25

更新日時:2026.8.26

処遇改善加算の届出書類の準備、ヘルパーの募集、月々の請求業務。日々の運営に追われるなかで、2026年6月に何が変わったのかを確認しきれていない訪問介護事業所の経営者・管理者様も多いのではないでしょうか。

今回の改定率は全体で+2.03%です。3年周期の定期改定ではなく、令和9年度を待たずに実施された期中改定(臨時改定)で、内容は処遇改善加算の拡充と食費の基準費用額の見直しに絞られています。

本記事では、令和6年度改定と令和8年度期中改定という二層構造を整理したうえで、訪問介護事業所の視点で変更点を解説します。自事業所が何を届け出て、どこまで加算率を上げられるのかを判断しやすくなります。

介護報酬改定とは?実施サイクルと令和8年度の位置づけ

介護報酬は、介護保険サービスの対価として事業所に支払われる公定価格です。原則3年に1度改定されますが、令和8年度は例外的に期中で実施されました。ここでは、改定のサイクルと今回が臨時改定となった理由を解説します。

3年に1度という原則と改定率の推移

介護報酬改定は、介護保険制度が始まって以降、原則として3年に1度のサイクルで行われてきました。直近の定期改定は令和6年度(2024年度)で、本来であれば次は令和9年度(2027年度)の予定でした。

なお、診療報酬は2年に1度改定されるため、6年に1度は介護報酬と診療報酬の定期改定が重なります。直近の定期改定どうしの同時改定は令和6年度でした。ただし令和8年度は診療報酬(医療保険)でも定期改定が行われており、本記事で扱う介護報酬(介護保険)の期中改定とは別の制度です。

改定率の推移は次のとおりです。

年度

位置づけ

改定率

平成30年度(2018)

定期改定

+0.54%

令和3年度(2021)

定期改定

+0.70%

令和6年度(2024)

定期改定・診療報酬と同時

+1.59%

令和8年度(2026)

期中改定(臨時)

+2.03%

令和9年度(2027)

定期改定の予定

未定

※改定率は各年度の告示時点の数値です。令和9年度は改定率が示されていません。

定期改定を待たずに実施された背景

令和8年度の改定は、令和9年度の定期改定を待たずに実施された期中改定です。背景にあるのは、介護分野の人材確保です。

厚生労働省は、他産業との賃金格差や物価の上昇を踏まえ、介護人材の確保に向けた対応を前倒しで実施する判断を示しました。制度全体を見直す改定ではなく、処遇改善を中心に必要な対応だけを先行させた点が特徴です。

そのため、基本報酬の単位数や運営基準の見直しは含まれていません。事業所として確認すべき範囲は、処遇改善加算と食費の基準費用額の2点に絞られます。

令和8年度(2026年度)介護報酬改定の全体像

令和8年度改定の改定率は全体で+2.03%です。ただし、これは基本報酬が2.03%上がるという意味ではありません。ここでは、改定率の内訳と施行時期、そして変更されなかった範囲を確認します。

改定率と施行時期

改定率+2.03%の内訳は、処遇改善分が+1.95%、食費の基準費用額の引き上げ分が+0.09%です。ほぼ全量が処遇改善に充てられています。

施行時期は項目によって分かれます。処遇改善に関する見直しは令和8年(2026年)6月1日、食費の基準費用額の見直しは同年8月です。令和8年4月・5月分は従来の区分で算定し、6月分から新しい区分へ切り替わります。

基本報酬の改定は行われていない

今回の改定で押さえておきたいのは、基本報酬の見直しが含まれていない点です。改定の内容は、介護職員等処遇改善加算の拡充と、食費の基準費用額の見直しの2つに限られます。

訪問介護の基本報酬の単位数は、令和6年度改定の水準がそのまま継続しています。2026年6月に単位数が変わったわけではないため、算定の基礎となる数値は令和6年度改定のものを参照します。

食費の基準費用額の見直し

食費の基準費用額は、物価や食材費の上昇を踏まえ、1日あたり1,445円から1,545円へ、100円の引き上げとなりました。施行は令和8年(2026年)8月です。

対象は介護保険施設や短期入所(ショートステイ)等であり、居宅サービスである訪問介護は直接の当事者ではありません。ただし、ご利用者様がショートステイを併用している場合には食費の自己負担に変化が生じるため、改定の全体像として押さえておきましょう。

参考:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」

令和6年度改定以降も据え置かれた訪問介護の基本報酬・単位数

令和8年度改定では基本報酬の見直しは行われておらず、訪問介護の単位数は令和6年度改定の水準が継続しています。ここでは、現在の算定の基礎となる単位数と、1単位あたりの単価を確認します。

サービス区分別の単位数

訪問介護の基本報酬は、身体介護・生活援助・通院等乗降介助というサービス区分と、提供時間に応じて単位数が定められています。令和6年度改定では、全区分で単位数が引き下げられました

サービス種類

時間

改定前

令和6年改定後

身体介護

20分未満

167単位

163単位

身体介護

20分以上30分未満

250単位

244単位

身体介護

30分以上1時間未満

396単位

387単位

身体介護

1時間以上1時間30分未満

579単位

567単位

身体介護

以降30分増すごとに

84単位

82単位

生活援助

20分以上45分未満

183単位

179単位

生活援助

45分以上

225単位

220単位

生活援助

身体介護に引き続き行う場合

67単位

65単位

通院等乗降介助

1回につき

99単位

97単位

※単位数は令和6年度改定によるものです。令和8年度改定での変更はありません。

1単位あたりの単価と地域区分

介護報酬は、単位数に1単位あたりの単価を掛けて算出します。単価は地域ごとに8区分に分かれており、訪問介護は人件費割合70%のサービスに区分されます。

級地

上乗せ割合

1単位あたりの単価

1級地

20%

11.40円

2級地

16%

11.12円

3級地

15%

11.05円

4級地

12%

10.84円

5級地

10%

10.70円

6級地

6%

10.42円

7級地

3%

10.21円

その他

0%

10.00円

※人件費割合70%のサービスの場合。級地の区分は市区町村ごとに定められています。

事業所として満たすべき人員基準・設備基準・運営基準は、訪問介護ステーションの開設基準を徹底解説!人員・設備・運営の必須要件と開業までの流れで解説しています。

訪問介護の処遇改善加算はどう変わったのか

令和8年度改定の柱は、介護職員等処遇改善加算の拡充です。対象者と対象サービスが広がり、加算率も引き上げられました。ここでは、訪問介護事業所に関係する変更点を順に確認します。

対象者が介護従事者全体へ拡大

これまで処遇改善の中心は介護職員でしたが、令和8年度からは対象が介護従事者全体へ広がりました。看護職員や介護支援専門員、生活相談員、事務職員など、現場を支える幅広い職種へ配分できる仕組みになっています。

訪問介護事業所では、サービス提供責任者や訪問介護員に加え、事務を担当する職員も配分の対象に含められます。ただし配分の方法は事業所の裁量に委ねられるため、賃金規程や配分ルールをどう整えるかが実務上の論点になります。

新たに対象となったサービス

これまで処遇改善加算の対象外だったサービスにも、加算が新設されました。加算率は次のとおりです。

サービス

加算率

訪問看護・介護予防訪問看護

1.8%

訪問リハビリテーション

1.5%

居宅介護支援・介護予防支援

2.1%

※介護予防サービスにも同率が適用されます。

訪問介護そのものは従来から対象ですが、同一法人で訪問看護や居宅介護支援を併設している場合は、これらのサービスでも新たに加算を算定できるようになります。法人内で対象となるサービスを洗い出し、届出の要否を確認しておきましょう。

訪問介護の加算率と区分

訪問介護の加算率は、令和8年6月分から引き上げられました。あわせて、加算Ⅰ・Ⅱがそれぞれ「イ」「ロ」に分かれ、従来の4区分から6区分へ再編されました。

区分

位置づけ

加算率(令和8年6月〜)

加算Ⅰイ

従来の加算Ⅰに相当

27.0%(24.5%)

加算Ⅰロ

加算Ⅰイ+令和8年度特例要件

28.7%(新設)

加算Ⅱイ

従来の加算Ⅱに相当

24.9%(22.4%)

加算Ⅱロ

加算Ⅱイ+令和8年度特例要件

26.6%(新設)

加算Ⅲ

要件に応じた下位区分

20.7%(18.2%)

加算Ⅳ

要件に応じた下位区分

17.0%(14.5%)

※加算率は令和8年6月サービス分から適用されます。カッコ内は改定前の加算率です。

出典:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」

加算率は、基本報酬や各種加算を含む総単位数に対して上乗せされる割合です。加算Ⅰイと加算Ⅰロの差は1.7ポイントですが、毎月継続して算定されるため、年間で見ると配分できる原資に差が生じます。

なお、加算の算定には要件の充足と届出が前提となります。加算率が引き上げられたからといって、届出をしていない事業所に自動的に適用されるわけではありません。

現在加算Ⅲ・Ⅳを算定している事業所や未取得の事業所も、令和8年度特例要件を満たし、キャリアパス要件・職場環境等要件への対応を誓約すれば加算Ⅱロまでの上位区分を算定できます。賃金改善の実施が前提となる点にご留意ください。

区分ごとの詳しい算定要件や単位数の計算方法は、【2024年介護報酬改定】訪問介護における介護職員等処遇改善加算とは?単位数や計算方法・算定要件を解説で解説しています。加算率は令和8年6月以降、上記の表の数値が適用されます。

賃上げ月額最大1.9万円の読み方

今回の改定は、介護職員一人あたり最大月額1.9万円(6.3%)の賃上げが実現する設計とされています。内訳は次のとおりです。

・介護従事者を対象に幅広く月1.0万円(3.3%)

・生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に月0.7万円(2.4%)の上乗せ

・定期昇給分0.2万円

この数値を読むうえでは、3点の注意が必要です。第一に、1.9万円が加算として支給される仕組みではありません。加算率の引き上げによって、事業所が賃金改善に充てられる原資が増えるという構造です。

第二に、0.2万円は制度による上乗せではなく、事業所側が行う定期昇給の分として算入されています。

第三に、0.7万円分は上位区分である加算Ⅰロ・Ⅱロを算定できる事業所の介護職員が対象です。上位区分を算定しない場合、この分は原資に含まれません。

実際に職員一人あたりいくらの賃金改善になるかは、算定する区分と事業所内の配分方法によって変わります。

上位区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)の算定に必要な要件

新設された上位区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)を算定するには、生産性向上や協働化への取り組みが求められます。人員を確保しているかではなく、業務のあり方を見直しているかが評価軸になった点が今回の特徴です。ここでは、訪問介護事業所が満たすべき要件と確認方法を解説します。

令和8年度特例要件と訪問介護が選べる要件

上位区分の算定にあたっては、令和8年度特例要件のア〜ウのいずれかを満たす必要があります。

要件

対象サービス

内容

訪問・通所系

ケアプランデータ連携システムの利用と実績報告

施設・居住系

生産性向上推進体制加算Ⅰ・Ⅱの算定と実績報告

共通

社会福祉連携推進法人への所属

訪問介護事業所が現実に選べるのは、アとウの2つです。イは施設・居住系サービスを対象とした要件のため、居宅サービスである訪問介護では該当しません。

ウの社会福祉連携推進法人への所属は、新たに参画する場合は法人側の認定手続きが必要で、短期間での対応は現実的ではありません。そのため、多くの訪問介護事業所にとってはアのケアプランデータ連携システムの導入と利用が基本線になります。

ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所とサービス事業所の間でケアプランや実績のデータをやり取りする仕組みです。紙やファクシミリを前提とした業務からの移行が評価される形になっています。

なお、特例要件を満たすには、システムに加入するだけでなく実際に利用していることが必要です。要件を満たしたうえで届出を行うことが算定の前提であり、加入しただけで自動的に加算率が上がるわけではありません。

求めに備えて保管しておく資料

特例要件については、計画書や実績報告書とは別に、事前に一律で資料の提出を求められることはありません。ただし、指定権者から求めがあった場合に備えて、根拠となる資料を事業所で保管しておく必要があります。保存期間は2年間です。

訪問介護事業所で必要になる主な資料は次のとおりです。

・ケアプランデータ連携システムに加入し利用していることがわかる画面の記録(データの送受信が確認できるもの)

・社会福祉連携推進法人に所属している場合は、社会福祉連携推進認定申請書

また、事務負担への配慮として、加算の申請時点では利用または取得の誓約による算定が認められています。ただしこれは準備期間を確保するための措置です。誓約した場合は、令和9年(2027年)3月末までに実際に利用したうえで、実績報告書で利用実績を報告する必要があります。

情報通信技術(ICT)の活用は、要件を満たすためだけの対応と捉える必要はありません。ケアプランデータ連携システムの利用は請求業務の効率化にもつながるため、事務作業全体の見直しとあわせて検討するとよいでしょう。

スケジュール作成の効率化については、訪問介護のスケジュール管理 ~デジタルツールの活用でスケジュールの悩みを解決~で解説しています。

要件を満たす体制を整えたあとも、毎月の訪問予定を組む作業の負担は別の課題として残ります。訪問スケジュール・訪問ルートの自動作成クラウド『ZEST』では、職員の勤務条件や移動効率を考慮した予定の自動作成を含めた機能と導入効果を、資料にまとめて無料で配布しています。

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令和6年度改定の変更点と事業所が取るべき対応

訪問介護の基本報酬や運営基準は、令和6年度改定の内容が現在も適用されています。基本報酬が引き下げられた改定であり、収益への影響が続いているため、あわせて確認しておきましょう。ここでは、令和6年度(2024年度)改定で訪問介護に効いた変更点と、収益を確保するための対応を解説します。

令和6年度改定で訪問介護に効いた変更点

令和6年度改定では、訪問介護の基本報酬が全区分で引き下げられました。厚生労働省の介護事業経営実態調査で訪問介護の収支差率が他サービスより高かったこと、処遇改善加算の加算率が他サービスより大きく設定されたことが、その背景にあります。

引き下げ分は処遇改善加算で補完する設計ですが、加算を取得していない事業所では収益が目減りします。

東京商工リサーチの調査によると、2025年の訪問介護事業者の倒産は91件で、3年連続の過去最多となりました。倒産原因は売上不振が82.4%を占め、倒産した事業所の86.8%は従業員10名未満の小規模事業所です。

倒産とは別に、2025年の介護事業者の休廃業・解散は653件と過去最多を更新しており、そのうち約7割が訪問介護でした。加算の取得と業務の効率化を同時に進められるかが、経営を維持できるかどうかの分かれ目になっています。

参考:東京商工リサーチ「2025年「訪問介護」倒産 91件、3年連続で最多更新」

参考:東京商工リサーチ「2025年「介護事業者」の休廃業・解散653件 苦境の「訪問介護」が押し上げ、過去最多を更新」

基本報酬以外にも、訪問介護に影響する変更が行われました。加算・減算に関する主な変更は次の7項目です。

項目

内容

特定事業所加算

区分の再編と区分Ⅴの新設

同一建物減算

提供割合に応じた新たな区分の追加

業務継続計画未策定減算

所定単位数の100分の1を減算

処遇改善加算の一本化

3つの加算を4段階へ統合

高齢者虐待防止措置未実施減算

所定単位数の100分の1を減算

認知症専門ケア加算

ご利用者様の受入れ要件の見直し

口腔連携強化加算

50単位/回の新設(月1回まで)

※業務継続計画(BCP)未策定減算は、訪問介護では令和7年(2025年)4月から適用されています。

加算・減算のほかに、運営基準や加算の対象地域についても見直しが行われました。

項目

内容

身体的拘束等の適正化

原則禁止と記録の義務化

テレワークの取扱い

職種・業務ごとの考え方の明確化

対象地域の明確化

特別地域加算・中山間地域等の加算の対象範囲を明確化

対象地域の追加

過疎地域の指定に応じた特別地域加算の対象追加

※訪問系サービスの身体的拘束等については、原則禁止と記録が運営基準に位置づけられ、施設系のような減算は設けられていません。

特定事業所加算の区分別の要件は、【2024年度介護報酬改定】訪問介護の特定事業所加算とは?算定要件や注意点を詳しく解説!で詳しく解説しています。

未取得の加算を取得する

基本報酬が下がった分を補ううえで、まず確認したいのが未取得の加算です。加算は基本報酬に上乗せされるため、体制を整えれば継続的な収益の改善が期待できます。

訪問介護事業所で算定できる主な加算には、次のようなものがあります。

・特定事業所加算

・介護職員等処遇改善加算

・緊急時訪問介護加算

・初回加算

・生活機能向上連携加算

・口腔連携強化加算

・特別地域訪問介護加算

ただし、加算の算定は要件の充足と届出が前提です。要件を満たせなくなった場合は届出の変更が必要になり、遡って返還を求められることもあります。取得後も要件を維持できるかまで含めて判断しましょう。

生産性を向上させる

訪問介護の収益は、提供したサービスの単位数の積み上げで決まります。そのため、職員一人あたりの訪問件数を増やすことが収益に直結します。

一方で、支出の多くを人件費が占めるため、単純に職員を増やしても一人あたりの訪問件数が伴わなければ収支は改善しません。採用の前に、移動時間の無駄や事務作業の負担を見直し、既存の体制で対応できる件数を増やすことが先決です。

生産性の向上は、令和8年度改定で上位区分の要件にも位置づけられました。収益面と加算面の両方に効く取り組みといえます。

訪問介護の収益構造や経営全体の考え方は、訪問介護経営を成功させる完全ガイド:開業から収益最大化までの戦略で解説しています。

介護保険外サービスで収益の柱を増やす

基本報酬と加算の枠内で収益を組み立てるだけでなく、介護保険外のサービスを柱に加える選択肢もあります。介護保険を使わずに提供するため、報酬改定の影響を直接は受けません。

料金やサービス内容は事業所が独自に設定でき、要介護認定を受けていない高齢者にも提供できます。同居家族の家事支援、趣味や散歩の外出への同行、冠婚葬祭の付き添い、配食サービスなどが代表的です。

一方で、費用は全額がご利用者様の負担になります。保険内外の線引きを曖昧にしたまま提供すると運営指導で指摘を受けるおそれがあるため、契約書と記録を分けて管理する体制を整えてから始めましょう。

生産性向上に取り組んだ訪問介護事業所の事例

制度への対応を進めるうえでは、実際に業務を見直した事業所の取り組みが参考になります。ここでは、当社の訪問スケジュール・訪問ルートの自動作成クラウド『ZEST』を導入いただいた、予定作成の負担を軽減した訪問介護事業所の事例をご紹介します。

社会福祉法人いろどり福祉会が運営するホームヘルパーステーション花紬様では、以前は表計算ソフトや手作業で訪問予定を管理していました。予定の作成に加え、介護ソフトへの転記や、職員の適性・移動時間を考慮したルート組みは複雑で、月に約30時間以上を事務作業に費やしていたといいます。空き状況の確認にも1か月分のシートを見返す必要があり、新規の依頼にすぐ回答することが難しい状態でした。

『ZEST』の導入後は、予定に関わる時間が80%削減され、スケジュール作成の属人化の解消にもつながっています。訪問予定の情報は介護ソフトへ取り込めるようになりました。同ステーションでは経営可視化ダッシュボード『ZEST BOARD』も併用しており、空き枠が視覚的に把握できるようになったことで、新規の依頼への回答も早くなったといいます。

なお同ステーションは、厚生労働省の介護テクノロジー等による生産性向上の取組に関する調査及び効果測定事業にも参加しています。同事業に参加した3事業所(訪問看護2事業所・訪問介護1事業所)の検証では、 スケジュールの作成・調整にかかる時間が1日あたり85.1分から45.5分へ、最大約46%削減されたと報告されています。1事業所あたりの1日平均訪問件数も、42.7件から最大45.1件へと増加したと報告されています。

参考:株式会社ゼスト「厚生労働省推進『介護テクノロジー等による生産性向上』効果測定事業結果を発表」

事例詳細:ホームヘルパーステーション花紬様の導入事例

まとめ

令和8年度(2026年度)の介護報酬改定は、令和9年度の定期改定を待たずに実施された期中改定です。改定率は全体で+2.03%、その内容は介護職員等処遇改善加算の拡充と食費の基準費用額の見直しに絞られ、基本報酬の単位数は令和6年度改定の水準が継続しています。

訪問介護事業所としてまず確認したいのは、自事業所が現在どの区分を算定しているかです。加算Ⅰイの27.0%にとどまっているのか、ケアプランデータ連携システムへの加入・利用によって加算Ⅰロを目指せるのかによって、打てる手は変わります。上位区分は生産性向上への取り組みが要件となるため、日々の業務をどう効率化するかという運営の話と地続きになっています。

その意味で、基本報酬が据え置かれた今回の改定は、加算をどこまで取りにいけるかで事業所間の差が開く改定ともいえます。現在の届出状況と、要件を満たすために不足している取り組みを洗い出すことから始めましょう。訪問スケジュール・訪問ルートの自動作成クラウド『ZEST SCHEDULE』は、ご利用者様の希望時間や職員の勤務条件、移動効率を考慮した予定を組み立て、スケジュール作成にかかる工数の軽減を支援します。

あわせて、経営可視化ダッシュボード『ZEST BOARD』は、訪問件数・訪問時間・移動時間・稼働率などを自動で集計・グラフ化します。取り組みの効果を数値で確認しながら、次の判断を進められます。

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