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訪問看護の経営|経営者の役割から黒字化のポイントまでまとめて解説

訪問看護の経営|経営者の役割から黒字化のポイントまでまとめて解説

公開日時:2024.1.19

更新日時:2025.3.18

訪問看護ステーションの経営について「現在の経営方法が正解なのか不安」と感じている経営者様や「開業したらなるべく早く黒字化をしたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。

今回は訪問看護ステーションの開業に必要なステップと経営者及び管理者の業務をご紹介し、さらに黒字化を実現する秘訣をご紹介いたします。

訪問看護ステーション経営の定義とは

『デジタル大辞泉(小学館)』によると、「経営」とは「事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定をおこなって実行に移し、事業を管理遂行すること。また、そのための組織体」と定義されています。

「訪問看護ステーションの経営」について定義はされておりませんが、主に「訪問看護事業所の立ち上げ・ステーション運営・黒字化」の為に遂行することを指します。これにより、訪問看護ステーションはサービスを継続することができます。

具体的に、立ち上げ、運営、黒字化それぞれに関して、経営者及び管理者は少なくとも以下の業務をすることが必要です。

立ち上げ

事業計画書の作成、法人の設立、資金の確保

運営(管理者)

スタッフの勤怠管理、訪問スケジュールの作成・管理

黒字化

新規依頼の獲得、自社サービスの提供状況・競合等の分析

経営者及び管理者の方々はこれらの職務を果たすことで、訪問看護が地域社会において重要なサービスを提供し、利用者さんへの適切なケアを提供することができるようになります。

訪問看護事務所の経営|近年の実態

令和4年度介護事業経営概況調査結果の9頁によると、多くの訪問看護ステーションが黒字経営を実現することができています。年によって多少の誤差があるものの、多くの企業が収支差分比率5〜10%以上を達成しており、収支差分比率40%以上を実現している事務所もあります。このことからも、訪問看護ステーションは黒字経営が十分に可能な業種であるといえます。一方で、残念ながら赤字のステーションが一定数あるのも事実です。

出展:令和4年度介護事業経営概況調査結果(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/153-1/r04_gaikyoukekka.pdf

訪問看護ステーションの経営|事業所開設までの流れ

健康保険法及び介護保険法に基づく訪問看護事業を立ち上げる際に、開業予定地域の都道府県知事もしくは市町村長に指定居宅サービス事業所・指定介護予防サービス事業所の指定を受ける「指定申請」が必要です(介護保険法に基づく指定申請を受けると、付随して健康保険法に基づく訪問看護事業も行うことができます)。訪問看護ステーション開設の際に避けては通れない指定申請の方法についてご紹介します。

事業計画書を作成する

事業計画書は創業計画書とも呼ばれます。事業計画書を作成する主な目的は「事業の見通しを立てる」、「金融機関からの融資に用いる」、「指定申請書の作成に用いる」の3つです。具体的には、創業動機、事業内容、競合及び市場分析、収益見込み、取引先等を記入します。事業計画書は融資等の際に必要になるだけでなく、今後の事業における芯として何度も見返すことになる書類であるため、検討を重ねて作成することをお勧めします。

法人を設立する

訪問看護事業を行うためには、法人格が必要です。法人として登記していない場合は法務局にて商業・法人登記申請を行う必要があります。法人格の種類としては、医療法人、社会福祉法人、NPO法人、株式会社、合同会社等があります。それぞれの法人によって、資金繰り、経費にできる出費の幅、税金、保険、会計処理等が異なります。設立したい訪問看護ステーションの特徴に合わせて最適な法人を選定しましょう。

事前協議や面談を行う

指定申請を行う前に、市区町村・都道府県の担当者と面談や事前協議を行い、訪問看護ステーションの開設意向や開設場所、訪問看護事業の目的・理念、運営方針などを伝え、申請について相談することを推奨します。担当者の方と協議する中で申請について必要なステップを再度確認し、指定申請への準備を着実に進めましょう。
(引用:一般社団法人全国訪問看護事業協会)

資金を確保する

訪問看護ステーションを立ち上げるには、一般的に500万円から1,000万円の資金が必要とされています。大きく分けて9種類の費用が必要であるためです。具体的には、会社の設立費用、事務所の契約費用や賃貸料、指定申請の手数料、設備や備品の購入費用、社用車の購入及び維持費用、電子機器やシステムの購入費、広告宣伝費用、スタッフの人件費、光熱費です。医療保険・介護保険報酬はサービス提供後から2か月かかるため、サービス開始2か月は訪問看護ステーションへの収入が0円である可能性があります。加えて、開業後すぐに利用者さんを獲得するのは難しいため、開業後すぐに黒字化することが難しい可能性が高いです。そのため、万が一に備えて人件費や水道光熱費に関しては約半年から1年分の資金を準備することを推奨します。

事務所の賃貸契約を行う

令和2年に通知された厚生労働省による指定訪問看護事業の運営基準によると、指定訪問看護事業を行うためには次の2つの基準を満たした事務所を設ける必要があります。

・事業の運営に必要な面積を有する専用の事務室を設ける必要がある(面積の指定は無い)。
・事務室の中に利用申し込みの受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保する。
出展:指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc4892&dataType=1&pag-eNo=1

人材を確保する

令和2年に通知された運営基準によると、指定訪問看護ステーションを運営するには次の4つの人員基準を満たさなければいけません。

・指定訪問看護ステーションでは保健師、看護師または准看護師を常勤換算方法で2.5人以上配置する。
・2.5人は運営に必要な最低限の人数であり、事業の規模に応じて適切な人数を配置する。
・指定訪問看護ステーションの看護職員のうち1名は常勤のスタッフである。
・管理者に関しては基本的に同時に2つの指定訪問看護ステーションを管理することができず、指定訪問看護ステーションに常勤である。
出展:指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc4892&dataType=1&pag-eNo=1

設備・備品を手配する

令和2年に通知された運営基準によると、指定訪問看護ステーションを運営するには「指定訪問看護に必要な設備及び備品等を確保する必要がある」とされています。指定訪問看護事業を円滑に運営するために必要な備品を紹介します。こちらに掲載する備品は最低限のものであるため、必要に応じて追加の設備、備品を購入することをお勧めします。

設備

電話機、自動車、電動自転車、掃除機、FAX機、机、椅子

備品(事務作業)

パンフレット、ステーション印、名刺、所長印、ファイル、筆記用具

備品(訪問看護)

予防着(エプロン)、入浴・シャワー用エプロン、プラスチックゴム手袋

出展:指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc4892&dataType=1&pag-eNo=1

指定申請書を提出する

指定訪問看護ステーションの運営に必要な人員基準や設備基準を満たした後、指定申請を行います。東京都の場合、申請書類を用意して公益財団法人東京都福祉保険財団にて申請を行います。申請書類の様式はこちらのurlを参照ください。
参照:東京都福祉局 https://x.gd/mjzKr

また、都道府県によって申請先、申請方法等が異なる場合があるため、各都道府県のホームページを参照ください。審査や実地調査が無事に終わると、指定通知書が訪問看護ステーションに届き、事業を開始することができます。

訪問看護ステーションの経営|管理者の役割

訪問看護ステーションを立ち上げてすぐは、経営者が管理者も兼ねることが多いです。また、訪問看護ステーションを健全に経営するには、売上に直結する「訪問数」を管理する管理者の活躍が必要不可欠です。訪問看護ステーションの管理者の業務について説明し、業務の中で意識すべきポイントをご紹介します

スタッフのシフト作成・勤怠管理

管理者が行う業務の中で重要な役割の一つが、スタッフの勤務表の作成です。スタッフの希望シフトや能力、利用者さんの状態に基づいて勤務表を作成することで、スタッフが効率的に配置され、質の高い訪問看護を提供できます。

さらに、急な休みや緊急の対応も管理者の責務であり、代わりのスタッフの手配や業務の再調整が含まれます。仮に、利用者さんの増加等でスタッフの負担が大きくなった場合は、スタッフ間で負担を分担したり、新規のスタッフを採用したりすることも管理者の業務です。

訪問スケジュールの作成・管理

多くの訪問看護ステーションでは、管理者の主な業務として訪問スケジュールの作成及び管理があります。訪問スケジュールは、移動効率の良さ、スタッフの働きやすさ、利用者さんのご希望等を反映して作成します。訪問看護ステーションの売上を管理し、訪問看護事務所を継続して運営する立場として、売上とスタッフの働きやすさに直結する訪問スケジュールの作成は最も重要な業務の1つです。

請求業務のチェック・管理

訪問看護では、訪問看護の料金を利用者さんに請求する、もしくは訪問看護のうち医療保険及び介護保険で負担する分を都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)または社会保険診療報酬支払基金(支払基金)に請求します。これらの業務のチェックも管理者の業務である訪問看護ステーションが多いです。

営業業務

スタッフの稼働状況を管理する中で、空き時間が増えてきた、訪問数が少ないことに気づいた際、新規利用者の獲得のために営業活動を行うのも管理者の業務であることが多いです。居宅介護支援事務所、地域包括支援センター、地域医療連携室、医療機関、特定相談支援事業所等に訪問し、訪問看護を依頼する役割であるケアマネジャー、医療ソーシャルワーカー、主治医、相談支援専門員の方々に営業を行います。

現場のフォロー

訪問看護では、利用者さんやご家族への対応や多職種との連携などさまざまな方と関わりながら仕事をしていきます。利用者さんやそのご家族との意向の食い違いなどから、クレームを受けることもありますが、その際にクレームの内容を正しく確認し、改善へ向けての対策をとることも重要な業務の一つです。

また、基本的に単独での訪問が多い訪問看護では、スタッフから様々な相談を受けます。その際に適切に判断して指示を出していくことが求められます。直接利用者さんの自宅へ伺う在宅サービスだからこそ、必要な知識やマナーについて、指導していくことも管理者の重要な役割となります。

スタッフの育成

利用者さんに訪問看護を継続して使用していただくには、サービスの質向上が欠かせません。そしてサービスの質向上には、スタッフのスキルアップも必要不可欠です。管理者自らスタッフに研修を行う他、外部の講師を招いて講演会を開催したり、スタッフが外部の研修会に参加したりできる機会を設けましょう。

また、看護師としての経験は多くても訪問看護経験が少ない場合、訪問に慣れるまでは同行訪問をして、スタッフの育成に注力しましょう。

地域との連携

利用者さんは訪問看護師だけではなく、主治医やケアマネジャー、医療ソーシャルワーカー、訪問介護士、薬剤師等、地域の他の職種の方々とも関わっています。つまり、訪問看護師だけでなく、これらの職種の方々と協力することで利用者さんが暮らしやすい環境を作ることができます。管理者が事前に他の職種の方々と交流を持つことで、現場の訪問看護師も円滑に連携することができるようになると思われます。営業のためだけでなく、挨拶の意味も込めて継続的に居宅介護支援事業所や医療機関等に出向き、交流を図りましょう。

訪問看護ステーションの経営|黒字化のポイント

訪問看護ステーションの運営を安定させ、利用者さんに良いサービスを継続するためにも、黒字化は必要不可欠です。そこで、黒字化の秘訣を6つご紹介いたしますので、是非ご活用ください。

営業力を高める

現在の訪問看護事業では、1回の訪問看護ごとに単価が設定されており、訪問数を増やすほど売上を増加させられる仕組みになっています。つまり、新規の利用者さんの獲得、既存の利用者さんの継続利用を促進しなければ売上増加を達成することが難しいことを意味しています。そして、新規の利用者さんの獲得には営業が欠かせません。数多くある訪問看護ステーションの中から自分たちのステーションを選んでもらうため、ケアマネジャー、医療ソーシャルワーカー等に刺さる強みをアピールして新規依頼を獲得しましょう。

定期的に分析を行う

訪問看護を依頼するケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーは、数ある訪問看護事務所の中から自分たちの事務所を選んでくれています。なぜ選んでくれているのか、競合と比較してどこが優れているのか等を分析し、強みを強化していくことによって、継続的に訪問看護を依頼してもらえるステーションになります。さらに、どこの地域の方に多く利用していただいているかの情報を分析することで、これから新規利用者を獲得できる可能性がある地域を把握できるためお勧めです。

スタッフが働きやすい環境を整える

訪問看護事務所を運営する中で恐れていることの1つに「廃業」があるのではないでしょうか。多くの訪問看護事務所が廃業してしまう原因として、赤字が続くという経済的な面だけでなく、「人員不足で人員基準を満たせない」ことがあります。先ほども説明した通り、指定訪問看護ステーションを運営するには、厚生労働省が定めた人員基準を満たさなければいけませんが、訪問看護師は全国的に不足しており、訪問看護師の確保が非常に難しい状況です。新規でスタッフを採用するのが難しいのに加えて、働く環境が良くないと簡単に別のステーションに転職できてしまいます。スタッフの離職率を下げるためにも、スタッフが長く働ける環境を整えましょう。

多職種連携に力を入れる

売上を増加させるためには、他の職種の方々との連携、交流が欠かせません。なぜなら、ケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーの方々と良い関係を築くことで新規利用者を獲得できるのに加え、多職種で連携して利用者さんの満足するサービスを提供することで利用者さんに継続して訪問看護を利用していただくことができるためです。

また病院との連携を行うことで退院後の訪問を依頼していただける可能性も高まるため、様々な職種との連携が重要になります。

業務を効率化する

1回の訪問の単価が決まっているため、売上を増加させるには訪問数を増加させる必要があります。訪問数を増やす方法の1つに、スタッフの訪問以外の業務にかかる時間を効率化し、より多くの時間を訪問に充てることがあります。近年では、利用者さん宅まで移動する時間、請求をする時間、計画書/報告書を記入する時間等をデジタル化によって短縮している訪問看護ステーションが増加している傾向にあるようです。

スキルアップを図る

売上を増加させるために、質の高いケアを継続して行うことで利用者さんに継続して利用してもらうことが必要です。そのために、スタッフに対してスキルアップのための研修を行ったり、外部の研修会に参加する機会を設けたりすると良いでしょう。研修を行うことで、スタッフの方々が訪問看護師としての成長を実感でき、仕事への満足度が向上します。そして、スタッフの離職率低下にも繋がる可能性があります。

加えて、管理者自身もステーション運営をする能力を高めるため、経営セミナーなどに参加するのもお勧めです。

業務効率化から現状分析までZESTが経営をサポート

訪問看護の経営者は行うべき業務や考えることが多くあり、ただでさえ時間がありません。そのような経営者が少しでも時間や気持ちにゆとりができるよう、弊社では訪問スケジュール作成を自動化できる『ZEST』を提供しています。

『ZEST』では、訪問スケジュールを作成する際に考慮しなければならない、スタッフのシフト、資格、利用者さんとの相性、移動ルート等を全て考慮したスケジュールをボタン一つで作成可能です。これにより、スケジュール作成時間を平均で77%(月間28時間)削減できることに加え、移動時間を月間30時間程削減できるため、利用者さんへのケアの質も向上して利用者さんの継続利用に繋がります。

さらに、『ZEST』で作成した訪問スケジュールのデータをもとに、経営に必要な指標を見える化する『ZEST BOARD』では、スタッフごとの訪問件数や移動時間などに加え、利用者さんの住所をMAPに一覧表示することができ、どの地域の利用者さんを獲得することで効率的に訪問件数を伸ばすことができるかの判断ができます。獲得したいエリアの居宅介護支援事業所もMAP上に表示されるため、すぐにアクションをとることも可能です。これらを通して、戦略的に新規の利用者さんを獲得し、売上を増加させることができます。

まとめ

今回は、訪問看護ステーションの開業に必要なステップと経営者及び管理者の業務をご紹介し、黒字化を実現する秘訣をご紹介しました。近年、開業時からデジタル化することで管理者の業務負担軽減をしたり、システムの切り替えを行う手間を削減するステーションさんが増加しているようです。これから訪問看護ステーションを開業しようとしている方、訪問看護ステーションの黒字化を目指している方は検討してみてはいかがでしょうか。

ZESTでは毎日無料オンライン説明会を行っておりますので、ご興味がございましたら是非お申込みください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。

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