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【2024年度介護報酬改定】訪問介護の特定事業所加算とは?算定要件や注意点を詳しく解説!

【2024年度介護報酬改定】訪問介護の特定事業所加算とは?算定要件や注意点を詳しく解説!

公開日時:2024.11.15

更新日時:2026.2.27

今回は訪問介護事業所が加算できる、特定事業所加算についてご紹介いたします。2024年度の介護報酬改定に伴い、新たに2つの区分が策定され、算定要件も追加されました。

変更となった点も含め、算定要件や加算を取得するメリットをご紹介します。

特定事業所加算とは?

特定事業所加算とは、質の高い介護サービスを提供している訪問介護事業所を評価するための加算です。

5つの報酬区分に分かれており、それぞれ算定要件が異なり、所定単位数の3~20%の加算率が設定され、上乗せする形で算定をします。算定要件には資格の保持や研修や報告の実施、緊急時の対応などが含まれるため、取得していることで事業所の信用度向上に繫がり、依頼をする1つの基準にもなるため、算定要件を確認し取得していくことがおすすめです。

特定事業所加算の単位数

特定事業所加算(Ⅰ)

20%(所定単位数×20/100)

特定事業所加算(Ⅱ)

10%(所定単位数×10/100)

特定事業所加算(Ⅲ)

10%(所定単位数×10/100)

特定事業所加算(Ⅳ)

3%(所定単位数×3/100)

特定事業所加算(Ⅴ)

3%(所定単位数×3/100)

特定事業所加算の最高区分は加算Ⅰで、所定単位数の20%が上乗せされます。最小区分は、2024年度の法改正で新たに新設された、加算ⅣとⅤの3%です。2024年度の法改正で中山間地域等における継続的なサービス提供や看取り期の利用者など重度者へのサービス提供を評価するために追加された加算Ⅴのみは、他の区分との併用が可能なため、最大で23%の上乗せが可能です。

特定事業所加算の算定要件

算定要件には、2024年度の介護報酬改定で新たに追加された算定要件もあります。自ステーションで満たすことができているか確認してみましょう。

算定要件一覧

要件項目

単位数

20%

10%

10%

3%

3%

体制要件

計画的な研修の実施

会議の定期的開催

文書等による指示及びサービス提供後の報告

定期健康診断の実施

緊急時における対応方法の明示

看取り期対応としての整備

中山間地域等居住者への継続的なサービス提供

他職種共同に夜訪問介護計画の見直し

人材要件

訪問介護員等要件
・介護福祉士が30%以上
・介護福祉士、実務者研修修了者が50%以上


または

サービス提供責任者要件
・実務経験3年以上の介護福祉士
・実務経験5年以上の実務者研修修了者等

人員基準を上回る数の常勤サービス提供責任者の配置


または


または

勤続年数7年以上の訪問介護員等が30%以上

重度者等対応要件

重度要介護者等対応要件
・要介護4以上。認知症、たん吸引等を必要とする利用者が全体の20%以上


または


または

看取り期の利用者への対応実績が1名以上である

体制要件

①計画的な研修の実施

厚生労働大臣が定める基準
全ての訪問介護員に対して、職員ごとに研修計画を作成し、研修計画に従って研修を実施または実施を予定していること。

算定留意事項
計画の策定時には、研修実施のための勤務体制の確保とともに、「目標」「内容」「研修期間」「実施時期」等を定めていなければなりません。

②会議の定期的開催

厚生労働大臣が定める基準
利用者さんに関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達又は訪問介護員等の技術指導を目的とした会議を定期的に開催すること。

算定留意事項
会議はサービス提供責任者が主宰し、すべての職員が参加するものでなければなりません。開催状況の概要の記録、定期的(概ね1か月に1階以上)に開催する必要があります。

③文書等による指示及びサービス提供後の報告

厚生労働大臣が定める基準
サービス提供責任者が、利用者さんを担当する訪問介護員等に対し、利用者さんに関する情報やサービス提供に当たっての留意事項を文書等の確実な方法により伝達してから開始するとともに、サービス提供終了後、担当する訪問介護員等から適宜報告を受けること。

算定留意事項
「サービス提供に当たっての留意事項」は少なくとも以下の項目を記載し、変化の動向を含め記載しなければなりません。
・利用者のADLや意欲
・利用者の主な訴えやサービス提供時の特段の要望
・家族を含む環境
・前回のサービス提供時の状況
・その他サービス提供に当たって必要な事項

「文書等の確実な方法」とは、直接面接しながら文書を手交する方法の他、FAX、メール等によることも可能です。
訪問介護員等から適宜受けるサービス提供終了後の報告内容について、サービス提供責任者は、文書(電磁的記録を含む)にて記録を保存しなければなりません。

④定期健康診断の実施

厚生労働大臣が定める基準
全ての従業者に対し、健康診断等を定期的に実施すること。

算定留意事項
常勤・非常勤を問わず、少なくとも1年以内に1回ごと、事業主の負担で実施しなければなりません。
新たに加算を算定しようとする場合には、1年以内に実施されることが計画されていれば問題ありません。

⑤緊急時における対応方法の明示

厚生労働大臣が定める基準
緊急時等における対応方法が利用者に明示されていること。

算定留意事項
「明示」については、緊急時等における対応方針・緊急時の連絡先及び対応可能時間帯等を記載した文書を利用者に交付し、説明を行います。
交付すべき文書については、重要事項説明書等に当該内容を明記することで基準が満たされます。

⑥看取り期対応としての整備
病院、診療所又は訪問看護ステーションの看護師との連携により、24時間連絡できる体制を確保しており、かつ、必要に応じて訪問介護を行うことができる体制の整備、看取り期における対応方針の策定、看取りに関する職員研修の実施等

⑦中山間地域等居住者への継続的なサービス提供

厚生労働大臣が定める基準
通常の事業の実施地域内であって中山間地域等に居住する者に対して、継続的にサービスを提供していること

算定留意事項
「特別地域訪問介護加算」、「中山間地域等における小規模事業所加算」、「中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算」のいずれかを算定している場合は、特定事業所加算(Ⅴ)を算定で来ません。

⑧多職種共同による訪問介護計画の随時見直し

利用者の心身の状況またはその家族等を取り巻く環境の変化に応じて、訪問介護事業所のサービス提供責任者等が起点となり、随時、介護支援専門員、医療関係職種等と共同し、訪問介護計画の見直しを行っていること

人材要件

⑨訪問介護員等要件

厚生労働大臣が定める基準
訪問介護員等が以下のどちらかを満たしている
・介護福祉士が30%以上
・介護福祉士、実務者研修修了者が50%以上

算定留意事項
各月の前月の末日時点で資格を取得している又は研修の課程を修了していること。
看護師等の資格を有する者については、1級修了者に含めて差し支えない。

⑩サービス提供責任者要件

厚生労働大臣が定める基準
サービス提供責任者が以下のどちらかを満たしていること。
・実務経験3年以上の介護福祉士
・実務経験5年以上の実務者研修修了者等
さらに、1人を超えるサービス提供責任者を配置することとされている事業所においては、常勤のサービス提供責任者を2名以上配置していること。

算定留意事項
「実務経験」は,サ責としての従事期間ではなく,在宅や施設を問わず介護に関する業務に従事した期間をいうものであり,資格取得又は研修修了前の従事期間も含めるものである。

⑪人員基準を上回る数の常勤サービス提供責任者の配置

厚生労働大臣が定める基準
指定居宅サービス等基準第5条第2項の規定により配置することとされている常勤のサービス提供責任者が2人以下の指定訪問介護事業所であって、同項の規定により配置することとされているサービス提供責任者を常勤により配置し、かつ、同項に規定する基準を上回る数の常勤のサービス提供責任者を1人以上配置していること。

算定留意事項
「実務経験」は、サ責としての従事期間ではなく、在宅や施設を問わず介護に関する業務に従事した期間をいうものであり、資格取得又は研修修了前の従事期間も含めるものである。

⑫勤続年数割合要件

厚生労働大臣が定める基準
指定訪問介護事業所の訪問介護員等の総数のうち、勤続年数7年以上の者の占める割合が30%以上であること。

算定留意事項
・勤続年数とは、各月の前月の末日時点における勤続年数をいうものとする。具体的には、令和3年4月における勤続年数7年以上の者とは、令和3年3月31日時点で勤続年数が7年以上である者をいう。
・勤続年数の算定に当たっては、当該事業所における勤務年数に加え、同一法人等の経営する他の介護サービス業所、病院、社会福祉施設等においてサービスを利用者に直接提供する職員として勤務した年数を含めることができるものとする。
・訪問介護員等の割合については、前年度(3月を除く)又は届出日の属する月の前3月の1月あたりの実績の平均について、常勤換算方法により算出した数を用いて算出するものとする。

重度者対応要件

⑬重度要介護者等対応要件

厚生労働大臣が定める基準
前年度又は算定日が属する月の前3月間における利用者の総数のうち、要介護状態区分が要介護4又は要介護5である者、日常生活に支障を来すおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症である者並びに社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第1条施行規則各号に掲げる行為を必要とする者の占める割合が60%以上であること。

算定留意事項
たんの吸引等の行為を必要とする者を算入できる事業所は、社会福祉士及び介護福祉士法の規定に基づく、自らの事業又はその一環としてたんの吸引等の業務を行うための登録を受けているものに限る。

⑭看取り期の利用者への対応実績が1名以上である

厚生労働大臣が定める基準
看取り期の利用者への対応実績が1人以上であること(併せて体制要件(6)の要件を満たすこと)

特定事業所加算を算定する際の注意点

①ローカルルールについて
要件の見解は指定権者によって異なる場合があります。届出時は各自治体に詳細をお問い合わせください。

②算定要件を正しく理解する
特定事業所加算を取得するためには、算定要件を正しく理解しなければなりません。取得後も達成した条件を維持する必要があるため、厚生労働省や自治体が提示している内容を定期的に確認しなければなりません。

③介護報酬改正に注意する
2024年度の介護報酬改正のように定期的に法改正が行われます。新たな算定要件が追加されたり、区分が追加されることもあるため、法改正時は必ず確認をしましょう。

④明示できる記録を残しておく
要件を満たしていることを証明できる記録が無ければ、算定を認められない可能性もあります。研修や会議を開催した場合には、計画書や議事録などの記録を保存しておきましょう。

訪問介護の特定事業所加算のQ&A

厚生労働省から発表されている特定事業所加算に関するQ&Aをご紹介します。

Q. 
新設された特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅲ)の重度要介護者等対応要件である看取り期の利用者への対応実績について、前12月間における実績と算定期間の具体的な関係性を教えてください。

A.

Q.
新設された特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅲ)の重度要介護者等対応要件である看取り期の利用者への対応体制について、病院、診療所又は訪問看護ステーション(以下「訪問看護ステーション等」という。)の看護師との連携により24時間連絡できる体制を確保することとされているが、具体的にどのような体制が想定されるか。

A.
「24時間連絡ができる体制」とは、事業所内で訪問介護員等が勤務することを要するものではなく、夜間においても訪問介護事業所から連携先の訪問看護ステーション等に連絡でき、必要な場合には事業所からの緊急の呼び出しに応じて出勤する体制をいうものである。
具体的には、
イ管理者を中心として、連携先の訪問看護ステーション等と夜間における連絡・対応体制に関する取り決め(緊急時の注意事項や利用者の病状等についての情報共有の方法等を含む)がなされていること。
ロ管理者を中心として、訪問介護員等による利用者の観察項目の標準化(どのようなことが観察されれば連携先の訪問看護ステーション等に連絡するか)がなされていること。
ハ事業所内研修等を通じ、訪問介護員等に対して、イ及びロの内容が周知されていること。
といった体制を整備することを想定している。

Q.
特定事業所加算(Ⅴ)の体制要件における中山間地域等に居住する者への対応実績について、具体的にどのように算出するのか。

A.
中山間地域等に居住する者への対応実績については、利用実人員を用いて算定するものとされているが、例えば下記のような場合、前3月の平均値は次のように計算する(前年度の平均値の計算についても同様である。)。

(※)特別地域加算、中山間地域等における小規模事業所加算、中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算
(注1)一体的運営を行っている場合の介護予防訪問介護の利用者に関しては計算には含めない。
(注2)特別地域加算等の算定を行っている利用者に関しては計算には含めない。
・中山間地域等に居住する利用者(A,D(特別地域加算等を算定する利用者Cを除く))
2人(1月)+2人(2月)+1人(3月)=5人
したがって、対応実績の平均は5人÷3月≒1.6人≧1人
なお、当該実績については、特定の月の実績が1人を下回ったとしても、前年度又は前3月の平均が1人以上であれば、要件を満たす。

Q.
特定事業所加算(Ⅴ)を算定する利用者が、月の途中において、転居等により中山間地域等からそれ以外の地域(又はその逆)に居住地が変わった場合、実際に中山間地域等に居住している期間のサービス提供分のみ加算の対象となるのか。あるいは、当該月の全てのサービス提供分が加算の対象となるのか。

A.
該当地域に居住する期間のサービス提供分のみ加算の対象となる。

Q.
新設された特定事業所加算(Ⅴ)について、「利用者の心身の状況等に応じて、随時、関係者が共同して訪問介護計画の見直しを行うこと」とされているが、訪問介護計画の見直しに当たり全ての職種が関わることが必要か。また、訪問介護計画の見直しが多職種協働により行われたことを、どのように表せばよいか。

A.
・特定事業所加算(Ⅴ)を算定する訪問介護事業所は、日々変化し得る利用者の状態を確認しつつ、利用者にとって必要なサービスを必要なタイミングで提供し、総合的に利用者の在宅生活の継続を支援することが求められている。当該加算を算定する事業所においては、中山間地域等にあって、必ずしも地域資源等が十分ではない場合もあることから、訪問介護事業所のサービス提供責任者が起点となり、利用者の生活全般に着目し、日頃から主治の医師や看護師、その他の従業者といった多様な主体との意思疎通を図ることが必要となり、継続的なサービス提供を行うことと併せて、他の地域の訪問介護事業所とは異なる「特有のコスト」を有しているため、特定事業所加算により評価するものである。
・訪問介護事業所における訪問介護計画の見直しは、サービス提供責任者を中心に多職種協働により行われるものであるが、その都度全ての職種が関わらなければならないものではなく、見直しの内容に応じて、適切に関係者がかかわることで足りるものである。
・また、訪問介護計画の見直しに係る多職種協働は、必ずしもカンファレンスなどの会議の場により行われる必要はなく、日常的な業務の中でのかかわりを通じて行われることも少なくない。通常の業務の中で、主治の医師や看護師、介護職員等の意見を把握し、これに基づき訪問介護計画の見直しが行われていれば,本加算の算定要件を満たすものである。なお、加算の要件を満たすことのみを目的として、新たに多職種協働の会議を設けたり書類を作成することは要しない。

Q.
特定事業所加算(Ⅲ)、(Ⅳ)の勤続年数要件(勤続年数が7年以上の訪問介護員等を30%以上とする要件)における具体的な割合はどのように算出するのか。

A.
勤続年数要件の訪問介護員等の割合については、特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅱ)の訪問介護員等要件(介護福祉士等の一定の資格を有する訪問介護員等の割合を要件)と同様に、前年度(3月を除く11ヶ月間。)又は届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均について、常勤換算方法により算出した数を用いて算出するものとする。
※令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)(令和3年3月29日)問1は削除する。

Q. 「訪問介護員等の総数のうち、勤続年数7年以上の者の占める割合が 30%以上」という要件について、勤続年数はどのように計算するのか。

A.
・ 特定事業所加算(Ⅲ)、(Ⅳ)における、勤続年数7年以上の訪問介護員等の割合に係る要件については、- 訪問介護員等として従事する者であって、同一法人等での勤続年数が7年以上の者の割合を要件としたものであり、- 訪問介護員等として従事してから7年以上経過していることを求めるものではないこと(例えば、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等として従事する前に、同一法人等の異なるサービスの施設・事業所の介護職員として従事していた場合に勤続年数を通算して差し支えないものである。)
・ 「同一法人等での勤続年数」の考え方について、- 同一法人等(※)における異なるサービスの事業所での勤続年数や異なる雇用形態、職種(直接処遇を行う職種に限る。)における勤続年数- 事業所の合併又は別法人による事業の承継の場合であって、当該事業所の職員に変更がないなど、事業所が実質的に継続して運営していると認められる場合の勤続年数は通算することができる。(※)同一法人のほか、法人の代表者等が同一で、採用や人事異動、研修が一体として行われる等、職員の労務管理を複数法人で一体的に行っている場合も含まれる。
※ 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)(令和3年3月 29 日)問 2 は削除する。

Q.
勤続年数には産前産後休業や病気休暇の期間は含めないと考えるのか。

A.
産前産後休業や病気休暇のほか、育児・介護休業、母性健康管理措置としての休業を取得した期間は雇用関係が継続していることから、勤続年数に含めることができる。
※ 令和3年度年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)(令和3年3月29日)問3は削除する。

Q.
特定事業所加算及びサービス提供体制強化加算における介護福祉士又は介護職員基礎研修課程修了者若しくは一級課程修了者とは、各月の前月の末日時点で資格を取得している者とされているが、その具体的取扱いについて示されたい。

A.
要件における介護福祉士等の取扱いについては、登録又は修了証明書の交付まで求めるものではなく、例えば介護福祉士については、平成21年3月31日に介護福祉士国家試験の合格又は養成校の卒業を確認し、翌月以降に登録をした者については、平成21年4月において介護福祉士として含めることができる。また、研修については、全カリキュラムを修了していれば、修了証明書の交付を待たずに研修修了者として含めることが可能である。なお、この場合において、事業者は当該資格取得等見込み者の、試験合格等の事実を試験センターのホームページ等で受験票と突合する等して確認し、当該職員に対し速やかな登録等を促すとともに、登録又は修了の事実を確認するべきものであること。

Q.
特定加算の区分の変更の届出に関する3か月間の経過措置について、訪問介護における特定事業所加算も同様の特例が認められるのか。

A.
・入居継続支援加算及び日常生活継続支援加算については、喀痰吸引を必要とする利用者の割合に関する要件等を満たせないことにより算定できない状況となった場合に、3か月間の経過措置を設けているものである。
・訪問介護については、特定事業所加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)の算定により介護福祉士の配置等要件を満たすことができることとしている。このため、喀痰吸引を必要とする利用者の割合についての要件等を満たせず特定事業所加算(Ⅰ)が算定できなくなったとしても、特定事業所加算(Ⅱ)を算定し、特定加算(Ⅰ)を算定することが可能であるため、3ヶ月の経過措置の対象とはならない。なお、特定事業所加算(Ⅱ)を算定できない場合は、特定加算(Ⅱ)を算定することとなるため、変更の届出が必要である。

Q.
特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅲ)の重度要介護者等対応要件である看取り期の利用者への対応体制及び看取り連携体制加算について、看取り期における対応方針は、管理者を中心として、介護職員、看護職員、介護支援専門員等による協議の上、定められていることが必要とされているが、その他に協議を行うことが想定される者としては、医師も含まれるのか。また、対応方針を定めるにあたっての「協議」とは具体的にはどのようなものか。

A.
・ 貴見のとおり医師も含まれると考えて差し支えない。
・ また、看取り期における対応方針の「協議」については、必ずしもカンファレンスなどの会議の場により行われる必要はなく、例えば、通常の業務の中で、主治の医師や看護師、介護支援専門員等の意見を把握し、これに基づき対応方針の策定が行われていれば、本加算の算定要件を満たすものである。

Q.
特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅲ)の重度要介護者等対応要件である看取り期の利用者への対応体制及び看取り連携体制加算について、「適宜、利用者等に理解しやすい資料を作成し、代替することは差し支えない。」とあるが、「代替」とは具体的にどういうことか。

A.
・質の高い看取り介護を実施するためには、多職種連携により、利用者等に対し、十分な説明を行い、理解を得るよう努力することが不可欠である。このため、利用者への介護記録等その他の利用者に関する記録の開示又は当該記録の写しの提供を行う際に、利用者またはその家族の理解を支援させる目的で、補完的に理解しやすい資料を作成し、これを用いて説明することも差し支えないこととしたものである。
・なお、その際、介護記録等の開示又は写しの提供を本人またはその家族が求める場合には、提供することが必要である。

Q.
特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅲ)の重度要介護者等対応要件である看取り期の利用者への対応体制及び看取り連携体制加算について、「本人またはその家族に対する随時の説明」とあるが、具体的にどういうことか。

A.
看取り期における対応方針に基づき、利用者の状態又は家族の求め等に応じ、介護職員、看護職員等から介護記録等利用者に関する記録を活用し行われるサービスについての説明のことをいう。

Q.
訪問介護の特定事業所加算を取得すれば、利用者の自己負担も増加することになるが、加算を取得した上で、負担軽減のため、特定の利用者に対して加算を行わないという取扱いをすることは可能か。

A.
加算を取得した上で、利用者間に加算の適否の差を付けることは、利用者間の不合理な負担の差を是認することにつながりかねないと考えられるので認められない。したがって、加算を取得するか、あるいは利用者の負担を考慮して取得しないかのどちらかを、あらかじめ各事業者が十分検討の上、選択する必要がある。

Q.
特定事業所加算における人材要件のうち、「サービス提供責任者要件」を月の途中で満たさなくなった場合、加算の算定ができなくなるのは、その当日からか。それとも、その翌月の初日からか。

A.
翌月の初日からとする。なお、前月の末日時点でサービス提供責任者要件を満たしていて、その翌月(以下、「当該月」という。)の途中で要件を満たさなくなった場合、当該月の末日にその状態が解消した場合に限り、加算要件は中断しないものとする。ただし、当該月に人員基準を満たさなくなった場合はこの限りでない。

出典:「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)」の送付について
介護サービス関係Q&A集

特定事業所加算を取得するメリット・デメリット

特定事業所加算を取得することで得られるメリットと、算定時や取得後に発生するデメリットもあります。どちらも理解した上で、取得の手続きを行いましょう。

メリット

収益向上

特定事業所加算は、加算の中でも加算率が高く、基本報酬に最大23%の加算が可能です。

さらに、特定事業所加算は他の加算とは違い、計画的に算定しやすいです。算定要件が多く、複雑ですが、サービスの実施状況に影響されないため、計画的に収益を向上させることが可能です。

事業所の評価を高められる

冒頭でも解説した通り、特定事業所加算はより質の高い介護サービスを提供している事業所を評価するために設けられています。

特定事業所加算を取得できていることは、社会的に高い評価を得ている事業所と判断することができるため、集客や採用に繋げることが可能になります。

人材確保・定着に繋がる

特定事業所加算には、福利厚生や研修・教育の体制が整っていることを評価する項目もあります。それらの要件が整っていることは、職員が働きやすい環境の整備にも繫がり、職員の定着に繋げることができます。

さらに、特定事業所加算を取得することで、収益の増加を繫がり、人材確保や設備・システムの導入を実現するために資金を使うことが可能です。

介護職員等処遇改善加算Ⅰの取得につながる

特定事業所加算ⅠまたはⅡを取得していることで、介護職員等処遇改善加算の算定に必要なキャリアパス要件Ⅴを満たすことができます。

デメリット

加算の取得に手間がかかる

特定事業所加算の算定要件は項目が多く、複雑で取得を目指す上で様々な施策を行う必要があります。研修計画の作成や実施、定期的な会議の実施、緊急時の対応方法の明示など取り組むべき施策が多いため、担当スタッフに業務負担が偏ってしまうことがあります。

取得するために体制を整えることも重要ですが、スタッフの業務負担も考えながら準備を行いましょう。

返還のリスクがある

特定事業所加算は、加算を取得したあとも要件を満たした状態を維持し続けなければなりません。もし、算定を満たしていない場合は、返還または変更の届を出さなければなりません。

返還した場合、加算が無くなるため収益が低下します。収益が低下するだけではなく、事業所の事業所の評価も下がってしまう可能性があるため、要件を満たし続けることができるようにしましょう。

利用者の負担が増える恐れがある

特定事業所加算ⅠまたはⅡを取得することで、利用者さんの自己負担額も増加します。

・特定事業所加算Ⅰ:自己負担額 20%増加
・特定事業所加算Ⅱ:自己負担額 10%増加

自己負担額が高くなることを避けるため、利用者さんが他の訪問介護事業所を選ぶリスクがあります。
加算を取得していることは質の高いサービスを提供できることを評価するため、その内容も含めて、利用者さんやご家族に十分に説明をしておくことが重要です。

加算の算定で上乗せされる金額をチェック

現在の月商が200万の場合、特定事業所加算を算定するとどの程度収益が上がるのか、月商・年商別にシミュレーションをしてみます。

現在

月商

200万円

240万円

220万円

220万円

206万

206万円

年商

2,400万円

2,880万円

2,640万円

2,640万円

2,472万円

2,472万円

特定事業所加算の申請方法

ここまで特定事業所加算について解説してきました。実際に取得する場合の申請方法を解説します。管轄の自治体によって異なる場合もあるため、必ず管轄の自治体のHPを確認すして、余裕のあるスケジュールで手続きを行いましょう。

必要書類

特定事業所加算を申請する際に必要な書類は以下の2点です。

・届出書
・介護給付費等の算定にかかる体制等状況一覧表

この2点は自治体のホームページでダウンロードが可能です。さらに、要件ごとに決められた書類を準備する必要があります。各要件の書類は以下の通りです。

要件種別

必要書類

体制要件

・事業所全体の研修計画書(研修報告書等)

人材要件

・勤務表

重度者等対応要件

・重度要介護者の割合がわかる書類

窓口へ提出

書類の準備が完了したら、各都道府県が指定する担当窓口に提出をしましょう。
提出期限は加算を算定する月の月末、または前月の15日です。提出方法は、窓口での直接提出・郵送のどちらかで可能です。
これらは管轄の自治体ごとに異なる可能性もあるため、必ず各自治体のHPで確認をしましょう。

算定の実施

提出書類が受理されると、算定が開始されます。
算定が開始されたあとでも、以下に該当する場合は追加書類が必要になることがあります。

・事前に届出が必要な場合
・提出書類の内容に変更があった場合
・指定申請を実施する場合
・介護報酬改定等で提出書類に追加や変更が必要になった場合

算定が受理されると、提出した書類の控えが送付されるため、必ず保管しましょう。

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さらに『ZESTHUB』上で利用者さん情報、申し送りのメモが確認でき、カルテやレセプト、チャットツールなどにも簡単に遷移できるため、時間がない中でもスムーズに記録・参照ができ、業務を効率的に進めることができます。

空いている時間を管理し、効率的に業務を進められることで生産性の向上や記録による残業を減らすことも可能です。

『ZESTBOARD』で必要な数値を見える化し、正しい評価を

訪問スケジュールのデータから経営指標を見える化する『ZESTBOARD』では、訪問件数・時間はもちろんのこと、移動時間や新規利用者数など経営に必要な情報をすぐに集計・グラフ化ができます。

また、スタッフ別の訪問件数・時間、移動時間やアイドリングタイム、弊社独自のアルゴリズムで算出するスタッフの負荷指数も算出できるため、数値をもとに正しい評価が可能になり、スタッフの働く満足度や環境整備に繫がり、スタッフの採用・定着に繫がります。

『空き枠管理』で経営改善を実現

ZESTSCHEDULEでスケジュール管理を行うことで「空き枠管理」が可能になります。空き枠管理とは、事業所の1か月の稼働率・空き状況を自動で表示できる機能です。空き枠管理機能をご活用いただくことで以下のような効果があります。

①事業所全体の現状の過密度を可視化し、受入可否の判断をスムーズに
②新規利用者の住所設定で近くの利用者を強調。遠方受け入れも判断しやすく
③豊富な条件設定により効率よく空きを埋めることが可能

これらの機能を活用いただくことで「事業所全体で稼働率向上」「スタッフの採用・定着」「地域連携による引き合い拡大」のサイクルが持続的に回り続けることで、事業所の経営は成長し続け、運営は健生性を保つことが可能だと考えております。

まとめ

今回は訪問介護の基本報酬の引き下げの背景や内容、対応策をご紹介しました。今回の介護報酬改定で基本報酬が引き下げになりましたが、加算の取得や生産性を向上させることで収益を向上させることは可能です。今回ご紹介した内容がステーションの収益拡大に貢献できますと幸いです。

お役立ち情報の他に無料セミナーなどを行っております。実際に『ZEST』を導入して業務効率化に成功している事業所の経営者にご登壇いただくセミナーもございますので、是非ご参加ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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