
皆さんは、勤務形態一覧表(勤務表)(以下勤務表と呼ぶ)の作成が法律で義務付けられていることをご存知でしょうか。しかし、勤務表には記載すべき項目が非常に多くあるため、作るのが大変そうだと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は勤務表の作り方、作成時の注意点について詳細に解説します。

訪問看護の勤務表には厚生労働省が推奨する特定の様式が存在します。これは、「介護人材の確保が喫緊の課題とされる中で、専門職等が利用者さんのケアに集中し、ケアの質を確保する観点から介護分野の文書に係る負担軽減については、極めて重要な課題である」という考えに基づいて作成されたものです。具体的には、「従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表」という様式があり、これが一般的な訪問看護の勤務表の様式として採用されています。以下に「従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表」を添付いたします。訪問看護用勤務表は5、6ページ目を参照ください。
(出展:https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000754443.pdf)
加えて、訪問看護のサービス種別によって勤務表の様式や記載項目が異なります。訪問看護は利用者さんの状態やニーズに合わせてさまざまなサービスを提供するため、その内容が多様であり、それに応じて勤務表も異なる場合があります。
(出展:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001009911.pdf)

勤務形態一覧表は作成が必須であるタイミングがいくつか存在します。そのタイミングは、以下の3つになります。
・訪問看護事業所の指定申請や指定更新、変更届などの申請書類
・定期的に行政から行われる「実地指導」
・加算等に関する届出
しかし、以上のタイミングだけで十分なのでしょうか?
まず、勤務表は事業所内でのスタッフの配置と勤務時間を明確に示す文書です。これには看護師、医師、その他の関連職種の人員配置が含まれます。スタッフの配置について詳細な情報を提供し、何時に誰がどの業務を担当するかを明確にすることで、利用者さんへの適切なケアとサービスに役立ちます。
また、訪問看護の場合、利用者さんの健康状態やケアニーズは日々変化します。そのため、毎月の更新は新たな利用者さんの受け入れや既存の利用者さんの状況変化に対応するのに役立ちます。
以上の通り、勤務表は利用者さんへのケア品質を保ちつつ、スタッフと利用者さん双方にとって安全で満足のいく環境を維持する役割を果たします。日頃の業務に追われ時間を割くのは非常に困難であるかもしれませんが、毎月の作成を推奨します。
勤務表には、数多くの記載項目があります。健全な事業所運営をするために、漏れなく記入することが必要です。記載する内容を詳細にご紹介します。勤務表を見ながら一緒に確認していきましょう。

(出展:https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000754443.pdf)
訪問看護計画書の各項目の書き方を記入例も含めてご紹介いたします。実際に作成する際に確認しながら記入することがおすすめです。

勤務表上部には、事業所の基本情報として以下の5つを記入する必要があります。これらは文書の整理、サービスの特性や要件の把握、労働条件の確保に役立ち、利用者さんへのケアの品質を保つために必要な情報です。
・作成年月
・サービス種別
・事業所名
・(1)欄 ※「4週」「暦月」のいずれかを選択
・(2)欄 ※「予定」「実績」「予定・実績」のいずれかを選択
・事業所における常勤の従業者が勤務すべき時間数

勤務表中段には、スタッフの基本情報として以下の4つを記入する必要があります。基本情報の正確な入力は、利用者さんの安全性とケアの品質確保、労働条件の適切な管理、法的規制への遵守など、さまざまな観点で重要です。
・職種 ※「管理者」・「看護職員」・「理学療法士」・「作業療法士」・「言語聴覚士」から選択(直接入力も可能)
・勤務形態 ※「常勤で専従」・「常勤で兼務」・「非常勤で専従」・「非常勤で兼務」から選択
・資格 ※プルダウンより選択(直接入力も可能。資格は、人員基準上求められる資格等を入力)
・氏名

勤務表(8)欄には、管理者を含むすべてのスタッフの勤務時間を正確に入力する必要があります。入力内容を元に「1か月の合計勤務時間数」と「週平均の勤務時間」が算出されるため、実際に勤務した時間と入力している数値に誤りがないことを確認するのも欠かせません。

勤務表の(11)欄には、申請する事業所以外の事業所や施設との兼務や同一事業所内で兼務(勤務時間に複数の職種を担当する等)がある場合、兼務先の事業所・施設の名称と兼務する職務の内容を記入します。
(11)の項目は、その他の特記事項欄としても活用しても問題ありません。

任意入力にはなりますが、勤務表下部には、常勤換算したスタッフの人数を記入する欄があります。こちらは、看護スタッフの人員基準の確認のために必要なものですが、常勤換算した看護スタッフの人数を計算する際に注意する点が2点あります。
1.常勤スタッフについては常勤換算方法ではなく、実人数で計算します
2.非常勤スタッフを常勤スタッフの人数に換算する際は以下の計算式を用います
常勤スタッフに換算した人数 = 事業所のスタッフの勤務延時間数/当該事業所において常勤スタッフが勤務すべき時間数
(例)非常勤スタッフが週平均で20時間勤務した。常勤スタッフは週平均で40時間勤務する必要がある。この時、常勤換算人数 = 20/40 = 0.5(人)
勤務表「(5)勤務形態欄」には、「常勤で専従」・「常勤で兼務」・「非常勤で専従」・「非常勤で兼務」のいずれかを記入する必要があります。そこで常勤と非常勤の違い、専従と兼務の違いを紹介します。

勤務表における常勤と非常勤の判断基準は、「勤務時間数」です。事業所の就業規則で、所定労働時間が週40時間と定義されている場合、週平均40時間を超えれば常勤、超えていなければ非常勤です。ただし、介護や育児を理由に短時間勤務制度等を利用する場合、週30時間以上勤務すると常勤換算になります。大抵、正社員としてフルタイムとして働く方は常勤、パートとして短時間働く場合は非常勤になる場合が多いです。
勤務表における専従と兼務の判断基準は「勤務時間に複数の職種を担当するか」です。以下に専従と兼務の例を紹介します。
専従の例: 特定の事業所に雇用され、毎日利用者さんの訪問看護を担当している
兼務の例: 事業所で利用者さんの訪問看護を担当しながら、管理者の仕事も担っている
訪問看護事業では、健康保険法および老人保険法により常勤換算で2.5人以上が必要という人員基準があり、違反した場合営業が許可されない場合があります。そのため、正しい常勤換算方法の熟知は事業所を運営する上で必要不可欠です。

「常勤換算」とは、従事する保健師、看護師、准看護師の労働時間を基に、その人数を常勤スタッフとして数えた場合に何人分のスタッフが必要であるかを算出したものです。
非常勤またはパートタイムの方々を常勤換算する際は、以下の計算式が使用されます。
常勤換算 = (非常勤スタッフの実際の週の労働時間 / 常勤スタッフの標準週の労働時間)
例をご紹介します。ある事業所で、非常勤スタッフAさんが週に20時間働いており、常勤スタッフの労働時間は40時間とします。
1. 非常勤スタッフAさんの週の実際の労働時間: 20時間
2. 常勤スタッフの週の標準労働時間: 40時間
これを計算式に代入すると、
常勤換算 = (20時間 / 40時間) = 0.5
この場合、非常勤スタッフAさんは常勤換算で0.5人分として計算されます。つまり、非常勤スタッフAさんが提供する労働時間は、常勤スタッフの半分に相当します。
事業所の人員基準は「保健師、看護師又は准看護師」と法律で定められているため、サービス提供に当たらない管理者や、上記の資格以外の介護士やリハビリ職員は常勤換算の対象外となるため注意が必要です。看護師等の常勤換算が基準以下にならないよう、人員配置には十分注意して事業運営をしていきましょう。
こちらでは、勤務表の作成時に注意すべき細かなルールをご紹介します。申請を滞りなく行うため、大変だと思いますが一緒に最終確認を行いましょう。

スタッフの勤務形態が「兼務」である場合、以下の2点に注意が必要です。
1. 行分け:勤務表の表形式の部分で、行を分ける必要があります。例えば、管理者が訪問看護師として訪問を行っている場合、その管理者は2種類の業務を行っています。その際は管理者の行と看護師の行を作成します。
2. 兼務状況の記載:勤務表の「(11)兼務状況」欄に 兼務先、兼務する職務等を記載する必要があります。例えば、管理者が訪問看護師として訪問も行っている場合、管理者の兼務状況欄に「当該事業所の看護師」と記載します。
勤務表は Excelファイル作成で提出する必要があります。 ただし、Excelファイルで必要項目を満たしていれば、推奨されている様式だけでなく各事業所で使用するシフト表等の提出により代替可能な場合があります。代替提出方法について、各事業所の方針や要件を確認しましょう。

ここまで、勤務表を正しく作成する方法と、作成時の注意点について紹介しました。『ZEST』では、事前に作成した勤務表をもとに最適な訪問スケジュールを作成することができます。訪問看護業務の中で、訪問スケジュールの作成に多くの時間がかかっていたり、複雑な条件を考慮するのに苦労されている方も多いのではないでしょうか?より良い訪問スケジュール作成のため、『ZEST』がどのように貢献できるのか解説します。

勤務表を作成した後、訪問スケジュールを作成する必要があるかと思います。『ZEST』とは、以下の機能によりスケジュール作成時間を削減するだけでなく、スタッフが気持ちよく働ける環境づくりやスケジュールの再調整の時間削減の実現に効果的なサービスです。
・レセプトシステムから情報を取得し、利用者さんの状態や住所、スタッフの資格や相性、シフト、提供票や指示書などを考慮した上で訪問スケジュールを自動作成。更に、Googleマップとも連携している為、効率的なルートも考慮
・ホワイトボードのマグネットを移動させるように簡単に手動調整も可能
・スタッフの訪問時間の重複や資格とのミスマッチ等があった場合アラート機能で教えてくれるため、ミスも防止可能
『ZEST』では、外出先であってもスマホやタブレットで訪問スケジュールを確認することができます。また先々の訪問スケジュールを見える化することができるため、ケアマネジャーさんやソーシャルワーカーさんから新規依頼の電話が来た際に空き枠をすぐに確認し、即レスが可能になります。
さらに『ZEST MEET』を活用することで、空き枠をケアマネジャーさんやソーシャルワーカーさんにURL一つで共有することができるため、新規利用者さんの受け入れ可否の目途を立てたうえで連絡が可能になることに加え、サービス担当者会議などの調整業務もスムーズになります。こういったスムーズなやりとりが密なコミュニケーションや信頼構築につながり、地域の連携の強化につなげることができます。
さらに、『ZEST』で作成したスケジュールデータをもとに経営指標を見える化する『ZEST BOARD』では、訪問件数や移動時間などに加え、曜日別の職員稼働率や想定受入可能件数をボタン一つで出力します。それらのデータをもとに効果的な打ち手を打つことが可能になります。
また、利用者さんの住所からMAP上に分布図を表示することができるため、どのエリアの利用者さんを獲得することが適切であるか感覚的に判断でき、獲得したいエリアの居宅介護支援事業所もMAP上に表示されるため、すぐにアクションをとることも可能です。
今回は勤務表の作り方、作成時の注意点について解説をしました。記載項目が多く時間のかかる勤務表の作成ですが、簡単に作成できるシステムが多数リリースされており、規模の大小にかかわらず上手く活用されている事業所が増えているようです。
また弊社では、訪問スケジュール作成ツール『ZEST』を中心に3つのプロダクトで経営をお支えします。毎日無料オンライン説明会を行っておりますので、ご興味がございましたら是非お申込みください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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