
「訪問介護」では厚生労働省によって「訪問介護員等が、利用者(要介護者等)の居宅を訪問し、入浴・排せつ・ 食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事等を提供するものをいう。」と定められています。
さらに、そのサービス内容に応じて、3つの区分に分けられます。今回はその3つの区分のそれぞれの時間と単価をご紹介いたします。


3つの区分は、「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の区分に分かれています。
まずはそれぞれの区分の定義を解説します。
定義 |
①利用者の身体に直接接触して行う介助サービス |
定義 |
生活援助とは、身体介護以外の訪問介護であって、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助(そのために必要な一連の行為を含む)であ り、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるもの |
定義 |
要介護者である利用者に対して、通院等のため、指定訪問介護事業所の訪問介護員等が、自らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行うとともに、併せて、乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助又は通院先若しくは外出先での受診等の手続、移動等の介助を行うサービス |

身体介護の中でも、サービス提供時間によって細かく区分されています。各区分の単位数や詳しい介助の内容をご紹介します。
身体介護の区分は4つに分類されています。
サービス内容 | 時間 | 単位数 |
|---|---|---|
身体0 | 20分未満 | 163単位 |
身体1 | 20分以上30分未満 | 244単位 |
身体2 | 30分以上1時間未満 | 387単位 |
身体3 | 60分以上 | 567単位 |
以降30分増すごとに | +82単位 | |
身体1~3に引き続き生活援助を行った場合 | 所要時間が20分から起算して25分を増すごとに+65単位 |
身体介護の介助内容は先ほどもご紹介した通り、「利用者さんの身体に触れる介助」となります。ただし、過剰な介助にならないよう、できることは可能な限り行なっていただく自立支援を行いましょう。詳しい介助内容は下記の通りです。
食事介助 | 身体機能・認知機能の低下により、1人で上手く食事ができない方への介助で、配膳・食事介助・下膳・口腔ケアまでが含まれます。嚥下状態を確認し、誤嚥に注意しながら介助を行いましょう。 |
排泄介助 | 1人での排泄が困難な利用者さんへのトイレ誘導や衣服の着脱、おむつ交換、排泄物の処理を行います。利用者さんの中には抵抗を感じる方もいらっしゃるので、最小限の介助を行いプライバシーに配慮しましょう。また皮膚もデリケートな部分なので、皮膚状態の観察も大切です。 |
入浴介助 | 1人での入浴が難しい方への介助で、入浴の準備や、衣服の着脱、身体や髪の洗浄、清拭等を行います。入浴時は転倒や意識消失などの事故が起こりやすいため、目を離さないようにすることと定期的な声かけを行うようにしましょう。 |
移動・移乗介助 | 自力で立ち上がりや歩行が難しい利用者さんを支援することで、ベッドから車いすへの移乗介助や歩行をサポートする歩行介助を行います。自立支援のため、利用者さんの自立度に合わせて介助を行いましょう。 |
更衣介助 | 衣服の着脱が難しい方には着替えの手助けを行います。着脱の動作は普段動かさない関節のストレッチにもなるので、可能な範囲で利用者さんに行なっていただくようにしましょう。 |
その他専門的な援助 | その他必要に応じて専門的な援助を行う場合があります。 |

生活援助も2つに分けられていています。単位数や援助内容に加え、生活援助の対象にならないものもあるので、ご紹介します。
生活援助の単位数は、訪問時間が「20分以上45分未満」「45分以上」の2つに分けられています。
各時間の単位数は下記の通りです。
サービス内容 | 時間 | 単位数 |
生活2 | 20分以上45分未満 | 179単位 |
生活3 | 45分以上 | 220単位 |
1回の訪問時に料理や掃除など、1種類の家事を行う場合は20分以上45分未満のサービスになり、家事を組み合わせたり時間がかかる場合は、45分以上の単位となります。
また、45分以上の単位の場合には、時間の上限は定められていませんが、大体60分以内としている事業所が多いようです。ご利用者さんのご状況や訪問時の内容に合わせて適切な区分を選ぶ必要があります。
生活援助では1日の訪問回数に上限数は決められていません。
しかし1ヵ月ごとの生活援助の回数は「要介護度」ごとに決められています。
要介護度と月間の回数は以下の通りです。
要介護度 | 回数上限/月 |
要介護1 | 27回 |
要介護2 | 34回 |
要介護3 | 43回 |
要介護4 | 38回 |
要介護5 | 31回 |
これらの数値は、生活援助のみを行う場合の上限数で、身体介護を組み合わせて使用する場合は、上記の回数に含まれません。
上限を超えた生活援助の利用は基本的には行なえないため、必要な時に利用できないということが無いように計画的なサービス提供を心がけましょう。
生活援助の援助内容は下記になります。
掃除 | 利用者さんが使用する部屋の清掃を行います。 |
洗濯 | 汚れた衣服やシーツの洗濯から干して畳むまでを支援します。 |
食事の準備 | 食材の買い出し、調理、配膳、下膳までの一連の食事の園児を行います。栄養のある食事は、病気の予防や体力の回復に直結するため、栄養バランスを考えた食事を作る必要があります。 |
ベッドメイク | シーツ交換・布団干し等、利用者の就寝環境を整えます。 |
衣類の整理や補修 | ボタンのほつれや少しの破れの補修、衣替えの時の衣類の入れ替え、整理を行います。 |
買い物代行 | 買い物が困難な利用者さんに代わり、近所のスーパーで日用品の買い出しを行います。 |
薬の受け取り | 慢性の病気などで受診済み(前回と容態が変わらないこと)が前提であり、訪問診療で診察を受けた(医師が処方箋を発行してくれた)場合などは、ヘルパーが薬局へ持っていって薬を受け取り支払いが可能です。 |
生活援助は、利用者さんが行うことのできない様々な家事を代行してくれるサービスですが、利用できない場合もあります。
・利用者さんの身体に直接降れる場合(身体介護に含まれるため)
・本人以外の家族に対して行う援助(本人以外の食事の調理やペットの世話等)
・日常生活の枠を超えた援助(大掃除・庭の草取りなど)
援助として提供できることとできないことをしっかりと分け、利用者さんやご家族に理解して貰うことが重要です。
また原則として、同居家族がいる場合には生活援助の提供ができないため、注意が必要です。

通院等移乗介助は、時間等の定めは無く、利用者さんの居宅から病院、病院から居宅など、通院時の片道の介助で97単位を請求します。さらに、デイサービスから病院に行き、帰宅する場合には、デイサービスから病院、病院から居宅の2回分の請求が可能です。
また、居宅から2件の病院へ行き居宅に戻る際には、病院から病院の介助も1回として請求が可能なので、97単位×3回分となります。
通院等乗降介助では、基本的に通院時に利用する車などへの移乗介助、車から病院への移動、受付までを片道とします。帰りは薬の処方がある場合は、薬の受け取り、病院から車への移動、車への移乗介助を行います。病院内の介助は基本的に含まれませんが、認知症で徘徊してしまい目を離せない場合や、視覚障害があり常に付き添いが必要な場合には、院内の介助も介助内容に含まれるため注意しましょう。

先ほども少しご紹介した2時間ルールについて、厚生労働省の資料には下記のように記載されています。
”概ね2時間未満の間隔で指定訪問介護が行われた場合には、それぞれの所要時間を合算する” |
例えば身体01を30分行なった1時間後にもう一度、身体01の30分訪問を行なった場合、時間を合算され60分のサービスとなり、身体02の区分になります。
2回目の訪問を2時間以上空けて行う場合には、それぞれ身体01の区分になります。
本来、身体01の訪問を2回行なった場合、500単位となりますが、身体02では396単位となってしまうため、2時間ルールを守ることで、事業所は正当な報酬を受け取ることができます。

訪問介護では体位交換や排泄介助、食事介助を行う場合、1日に複数回の訪問が多くなります。さらに、モーニングケアやイブニングケア、昼食時などサービスを希望されることが多く、デイサービスなど、他の福祉サービスを利用している場合には、それらの時間とも被らないようにしなければなりません。利用者さんのご希望や決められたルールを守りながら訪問件数を増やすポイントをご紹介します。
訪問介護では、事業所から訪問先、訪問先から訪問先への移動が必ず発生します。この移動時間を可能な限り削減することで、訪問件数を増やすことができます。
利用者さんの希望のみを反映した訪問スケジュールでは移動効率が悪くなってしまっている可能性があります。スタッフ1人が訪問するエリアを狭めて、移動距離を少なくすることで、移動時間が削減され、訪問件数を増やしたり記録業務などを行う時間が生まれます。
訪問と訪問の間の移動時間を含まない空き時間をアイドリング時間と呼びます。この時間を可能な限り削減することも重要ですが、どうしても発生してしまう場合があるかと思います。そのような場合には、カルテや記録の記入や近隣の居宅介護支援事業所などに営業に行くなど、空き時間の活用をすることで、残業を削減したり新規依頼に繫げることができるようになります。
この時間帯だけ職員が足りないという場合は、スポットで勤務する登録ヘルパーの活用がおすすめです。登録ヘルパーを上手く活用することで、訪問件数を増やせるだけでなく、正社員の時短勤務や休暇取得などの働きやすさにも繫げることができます。事業所と登録ヘルパーの相性が良ければ正社員採用に繫げることも可能です。


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今回は訪問介護の時間の区分についてご紹介しました。各区分や2時間ルールを正しく理解し、適切な頻度と時間で訪問を行いましょう。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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