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【訪問看護】ターミナルケア加算・療養費:2024年改定対応 算定要件と実務上の重要ポイント

【訪問看護】ターミナルケア加算・療養費:2024年改定対応 算定要件と実務上の重要ポイント

公開日時:2024.12.20

更新日時:2026.7.13

【訪問看護】ターミナルケア加算・療養費:2024年改定対応 算定要件と実務上の重要ポイントバナー画像

訪問看護ステーションが提供するターミナルケア(終末期ケア)は、住み慣れた場所で最期を迎えたいと願う利用者とその家族を支えるうえで非常に重要な役割を果たします。

ターミナルケア加算(介護保険)やターミナルケア療養費(医療保険)は、こうした精神的な負担も大きいケアを実施する事業所を評価するための制度です。適切なケア体制を整備し、加算を正しく算定することは、質の高いケア提供と事業所の健全な経営を両立させるために不可欠です。

本記事では、2024年度の介護報酬改定で単位数が見直された最新の情報を含め、ターミナルケア加算・療養費の概要、複雑な算定要件、そして実務上の注意点について詳しく解説します。

訪問看護ターミナルケア加算・療養費とは

制度の目的と2024年度改定のポイント

ターミナルケア加算・療養費は、「ターミナルケアを行うための体制が整っており、実際にターミナルケアを実施していること」を評価するためのものです。

この制度は、利用者のQOL(生活の質)の向上、家族の精神的・身体的負担の軽減、そして多職種連携の推進を主な目標としています。特に高齢化が進む中、自宅で最期を迎えたいというニーズに応えるために重要な役割を担っています。

2024年度の介護報酬改定では、在宅での看取りを促進するために、介護保険のターミナルケア加算の単位数が上乗せされました。これにより、医療保険のターミナルケア療養費と概ね同等の評価額となりました。

介護保険と医療保険における算定額(2024年度版)

ターミナルケア加算は介護保険、ターミナルケア療養費は医療保険において算定されます。

区分

制度

算定額 (2024年度改定後)

備考

ターミナルケア加算

介護保険

2,500単位/月

改定前2,000単位から増額。予防訪問看護は対象外。

ターミナルケア療養費1

医療保険

25,000円

在宅での死亡、または特養等で死亡し看取り介護加算等を算定していない場合に適用。

ターミナルケア療養費2

医療保険

10,000円

特養等で死亡し、かつ介護保険の看取り看護加算を算定している場合に適用。

介護保険における2,500単位は、1単位10円の地域であれば25,000円となり、医療保険の療養費1と同額になります。

医療保険では、訪問がなかった場合に基本療養費や管理療養費が算定できないため、訪問がない場合でも算定できるよう「ターミナルケア療養費」という別枠が設けられています。

ターミナルケア加算・療養費の算定要件

ターミナルケア加算(介護保険)とターミナルケア療養費(医療保険)の算定要件は、原則として共通しています。

在宅で死亡した利用者に対して、死亡日および死亡日前14日以内にターミナルケアを実施することが前提となります。

共通する必須の体制要件

事業所が満たすべき体制の要件は以下の通りです。

24時間対応体制の確保
24時間いつでも対応可能な連絡体制と訪問体制が整備されていること。

主治医との連携
主治医と密接に連携していること。

説明と同意
ターミナルケアに関する計画や支援体制について、利用者本人および家族へ十分に説明し、同意を得ていること

適切な記録
利用者さんの状態変化に関する適切な記録が残されていること。特に、終末期の身体状況の変化、療養上の不安や苦痛に対するケア、本人・家族の意思確認の内容と時期などを記録することが重要です。

多職種連携
他の医療・介護関係者(居宅介護支援事業者等)と十分な連携を図るよう努めること。

訪問日数の要件と「1日算定」の特例対象者

算定のためには、原則として、利用者の死亡日および死亡日前14日以内2日以上ターミナルケアを実施する必要があります。

ただし、以下の特定の利用者に該当する場合は、例外として1日以上のターミナルケア実施で算定が可能です。

【1日算定の特例対象となる特定の利用者(例)】

• 末期の悪性腫瘍

• 後天性免疫不全症候群

• 脊髄損傷

• 筋萎縮性側索硬化症 (ALS)

• 多発性硬化症

• 人工呼吸器を使用している状態

• 急性増悪などで主治医が一時的に頻回の訪問看護が必要だと認める状態

「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の遵守

体制要件の一つとして、厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を遵守し、多職種連携を図ることが求められています。

このガイドラインは、高齢化社会において、人生の最終段階で「本人の尊厳を追求し、自分らしく最期まで生きる」ことを軸に、医療従事者がどのように関わるべきかを示したものです。策定後、在宅医療・介護での活用に対応するため見直しが行われ、ケアチームに介護従事者が含まれることが明確化されました。

このガイドラインに加え、「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン 人工的水分・栄養補給の導入を中心として(日本老年医学会)」なども、ターミナルケア実施にあたり参考にすべきものとして挙げられています。

算定に関する実務上の手続きと注意点

必要な届出と同意書の取得

【届出】
介護保険(ターミナルケア加算)
事業所が所在する自治体や福祉事務所に対して、「緊急時訪問看護加算・特別管理体制・ターミナルケア体制に係る届出書」の届け出が必要です。この届出は前月の15日までに行うことで、翌月から加算を算定できるようになります。

医療保険(ターミナルケア療養費)
特別な届け出は必要ありません。

【同意書の取得】
 ターミナルケアの実施と加算の算定にあたっては、利用者またはその家族から同意を得ることが必須です。同意書は、利用者が自身の意思でターミナルケアを選択したことを明確にし、インフォームド・コンセントの法的根拠となります。同意を得る際は、専門用語を避け、十分な時間を確保し、利用者に判断能力があるかを確認することが重要です。

算定に関する重要なQ&A

実務で特に注意が必要な算定ルールについてまとめます。

項目

ルールと解説

算定月

ターミナルケア加算/療養費は、ケアを実施した月ではなく、利用者さんが死亡した月に算定します。ケア実施月と死亡月が異なっても、死亡月にのみ算定可能です。

複数事業所での算定

利用者さんが複数の訪問看護ステーションを利用している場合でも、算定できるのは1事業所のみ、1回限りです。

保険の切替時

死亡日および死亡日前14日間に介護保険と医療保険の訪問が合計2回以上実施された場合、最後に実施した訪問の保険制度において算定します。

在宅以外での死亡

ターミナルケアを行った後、利用者さんが医療機関へ搬送され死亡した場合でも、搬送から24時間以内に死亡が確認された場合は算定が可能です。

退院日の指導支援

医療保険においては、退院日の退院指導支援も訪問看護の提供と見なすことができます。

ターミナルケア加算と関連加算の活用による経営戦略

ターミナルケア加算の取得は、質の高いケアの証明と収益向上につながりますが、ターミナルケアの対応数を意図的に増やしすぎると、スタッフの精神的な負担が大きくなる可能性があります。そのため、他の加算も効果的に活用し、業務効率化を図ることが、事業の安定化と成長に重要です。

質の高いケアと他の加算との組み合わせ

ターミナルケア加算と関連する加算を組み合わせることで、利用者により手厚いサポートを提供でき、ステーションの地域での評判向上にもつながります。

関連加算名

制度

評価内容

ターミナルケアとの関係

看護体制強化加算

介護保険

緊急時加算や特別管理加算の算定割合、ターミナルケア加算の算定実績(年5人以上/1人以上)など、手厚い体制を評価。

ターミナルケア加算の実績が要件の一つであり、相乗効果で算定機会が増加します。

緊急時訪問看護加算

介護保険

24時間連絡・訪問可能な体制を評価。

ターミナルケア加算の体制要件(24時間対応)と関連しており、手厚い在宅ケアの提供に貢献します。

24時間対応体制加算

医療保険

24時間連絡・訪問可能な体制を評価。

ターミナルケアの対象者に安心感と手厚いサポートを提供できます。

また、居宅介護支援事業所が算定するターミナルケアマネジメント加算や、特養などが算定する看取り介護加算とも密接に関連しています。これらの加算と連携を深めることで、専門的なサポート(施設職員への指導や助言など)が可能になり、地域全体で質の高い看取りケアを提供できます。

業務効率化による生産性向上

質の高いターミナルケアを持続的に提供し、経営を安定させるためには、業務効率化が不可欠です。

訪問看護ステーションの運営における課題解決策として、AIを活用したシステムが有効です。例えば、AI搭載の記録システムを活用することで、管理者の負担を軽減し、効率的な移動ルートを計算して1日の訪問可能件数を増やすことが可能です。

Q&A

ターミナルケア加算・ターミナルケア療養費について、厚生労働省より発表されているQ&Aをご紹介します。

Q
ターミナルケアの提供にあたり、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえることが示されていますが、当該ガイドライン以外にどのようなものが含まれますか。

A
当該ガイドライン以外の例として、「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン 人工的水分・栄養補給の導入を中心として(日本老年医学会)(平成23年度老人保健健康増進等事業)」等が挙げられるが、この留意事項通知の趣旨はガイドラインに記載されている内容等を踏まえ利用者本人及びその家族等と話し合いを行い、利用者本人の意思決定を基本に、他の関係者との連携の上、ターミナルケアを実施していただくことにあり、留意いただきたい。

Q
ターミナルケアの実施にあたっては、他の医療及び介護関係者と十分な連携を図るよう努めることとありますが、具体的にはどのようなことをすれば良いでしょうか。

A
ターミナルケアの実施にあたっては、他の医療及び介護関係者と十分な連携を図ることが必要であり、サービス担当者会議等における情報共有等が想定される。例えば、訪問看護師と居宅介護支援事業者等との連携の具体的な方法等については、「訪問看護の情報共有・情報提供の手引き~質の高い看取りに向けて~」 (平成 29 年度 厚生労働省老人保健健康増進等事業 訪問看護における地域連携のあり方に関する調査研究事業(三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング))等においても示されており、必要に応じて参考にしていただきたい。

出典:平成 30 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1) 

Q
死亡日及び死亡日前 14 日前に介護保険、医療保険でそれぞれ 1 回、合計 2 回ターミナルケアを実施した場合にターミナルケア加算は算定できますか。 

A
算定できる。最後に実施した保険制度において算定すること。

Q
ターミナルケア加算について、「死亡診断を目的として医療機関へ搬送し、24時間以内に死亡が確認される場合」とありますが、24時間以内とはターミナルケアを行ってから24時間以内という理解でよいでしょうか。

A
ターミナルケアを行ってから24時間以内である。

出典:平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1) 

Q
ターミナルケアを実施途中に、緊急時や家族からの希望等により入所者が他医療機関に転院して死亡した場合は、他医療機関に入院するまでのターミナルケア加算は算定可能か。

A
従来型老健については、死亡前に他医療機関に入院した場合であっても、死亡日を含めて30日を上限に、当該施設でターミナルケアを行った日数については算定可能。介護療養型老健については、入所者の居宅又は当該施設で死亡した場合のみ算定可能であり、他医療機関で死亡した場合にあっては退所日以前も含め算定できないもの。

出典:平成21年4月改定関係Q&A(Vol.2)について

ターミナルケア加算・療養費に加えて、収益拡大を実現するにはZEST!

ターミナルケア加算・療養費の取得は、対応数に応じて増やすことはできますが、意図的に増やすことは難しく、多すぎるとスタッフの精神的な負担になってしまいます。ステーションの状況やスタッフの負担が大きくなりすぎないためにも、対応数は調整することがおすすめです。

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また、営業活動後はスマートフォンやタブレットなどから記録を残すことが可能です。相手の書簡などは4種類のアイコンを選択するだけなど、感覚的に記録を残せるようになっています。さらに、記録した営業活動の結果を、自動で集計し一覧で確認することができます。地域連携先からの紹介実績や接触数、課題発見率、解決率などの活動状況も数値で確認できるため分析結果から連携活動の質を高めることが可能です。

このようにZEST RRMを活用した営業活動を行っていくことで、より効率的に、効果の高い営業活動を実現することが可能です。

これらの、スケジュールの効率化による事業所全体の稼働率向上、ステーションの働き方改革の推進でスタッフの採用・定着、営業活動の効率化で引き合いの拡大、新規依頼の増加により売上向上に繋がり、継続的に収益を最大化し続けられるサイクルを回すことが可能です。

『ZEST BOARD』で必要な数値を見える化し、正しい評価を

さらに、今までご紹介した、スケジュールデータ、RRMにより蓄積したデータから経営指標を見える化する『ZEST BOARD』では、訪問に関する、訪問件数、移動時間、新規利用者数など経営に必要なデータを自動で集計・グラフ化ができます。RRMで蓄積した営業活動量や紹介数なども自動で集計。エンゲージメント状況を客観的に評価し、営業活動の的確な方針を立てることが可能です。これにより地域連携先とのお引き合いを拡大できます。

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まとめ

訪問看護におけるターミナルケア加算・療養費は、終末期の利用者が可能な限り住み慣れた場所で、尊厳ある最期を迎えられるよう支援するための重要な制度です。2024年度の改定により単位数が引き上げられたことで、在宅での看取りに対する評価がさらに高まっています。

管理者やスタッフは、算定要件、特に「24時間体制の確保」「多職種連携」「適切な記録」を確実に満たし、利用者本人の意思を最大限に尊重したケアを提供し続けることが求められます。制度を適切に理解・活用し、ケアの質向上と経営の安定化を両立させることが、訪問看護ステーションの重要な責務です。

ZESTでは、毎日無料オンライン説明会を行っておりますので、ご興味がございましたら是非お申込みください。

お役立ち情報の他に無料セミナーなどを行っております。実際に『ZEST』を導入して業務効率化に成功している事業所の経営者にご登壇いただくセミナーもございますので、是非ご参加ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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