
「専門看護師」と「認定看護師」は、特定の分野において深い知識や経験を持つ看護のスペシャリストとして、看護の現場で高い評価を受けている資格です。どちらの資格も、特定分野における専門家として公益社団法人日本看護協会に認定された看護資格であるという共通点があります。
高度化・専門分化が進む医療現場において、これらのスペシャリストは看護の質の向上に大きく貢献しています。しかし、この二つの資格は、専門分野の数や担う役割、資格取得の要件、難易度などに明確な違いがあります。
この記事では、専門看護師と認定看護師の基本的な定義から、資格取得に必要な教育課程、費用、具体的な役割の違いまでを徹底的に比較解説します。看護師としてキャリアアップを考えている方、どちらの資格を目指すべきか迷っている方は、ご自身のキャリアプランに合った選択をするためにも、ぜひ参考にしてください。


専門看護師とは、患者様やそのご家族などに対して質の高いケアを行うために、特定の分野の知識や技術を備えたと認められた看護師です。
この資格を取得した者は、看護系の大学院で修士課程を修了し、必要な単位を取得した後、日本看護協会が実施する専門看護師認定審査に合格する必要があります。
専門看護師の役割は、患者様本人の看護だけでなく、患者様のご家族や地域と連携してケアを行ったり、現場の人材育成や調整などの仕事にも加わったりする、非常に幅広いものです。広い視野を持って、専門看護分野の専門性を発揮し、施設全体や地域の看護の質の向上に努めることが期待されています。
認定看護師も、特定の看護分野において深い知識と熟練した看護技術を持っていると認められた看護師です。
高度化し専門分化が進む医療の現場において、水準の高い看護を実践できると認められた看護師として定義されています。高度な知識と技術で患者様への質の高い看護の提供や、看護実践を通して後輩指導などの役割も期待されています。資格取得のためには、看護師として5年以上の実践経験を持ち、日本看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育を修め、認定審査に合格することが必要です。

専門看護師と認定看護師は、どちらも高い知識と技術を持つスペシャリストですが、その活動範囲や取得難易度において明確な違いがあります。
専門看護師は、認定看護師よりもさらに幅広い役割を担っています。
両資格に共通して求められる役割は以下の3つです。
1. 実践:高い看護技術で質の高い看護ケアを提供する。
2. 指導(教育):看護実践を通して後輩看護師に指導を行う。
3. 相談:看護職に対してコンサルテーション(相談)を行う。
専門看護師には、上記の3つに加え、さらに以下の3つの役割が求められ、合計6つの役割を果たします。
1. 調整:保健医療福祉に関わる人員のコーディネートを行う。
2. 倫理調整:倫理的な問題や葛藤の解決を図る。
3. 研究:専門知識や技術の向上のための研究活動を行う。
それぞれの資格で対象とする特定分野の数と内容が異なります。
資格 | 特定分野の数 | 特徴と分野(一部) |
|---|---|---|
専門看護師 | 14分野 | がん看護、精神看護、地域看護、急性・重症患者看護、家族支援、災害看護、放射線看護、在宅看護など。患者さまだけでなく、ご家族や地域社会への支援を視野に入れるため、活動内容が幅広い。 |
認定看護師 | B課程19分野 | 感染管理、クリティカルケア、皮膚・排泄ケア、糖尿病看護、乳がん看護、緩和ケア、手術看護など。専門看護師の分野と比べると、内容がより限定的となる。 |
なお、認定看護師には2020年度から教育が開始されたB課程19分野のほかに、A課程21分野がありますが、こちらは2026年度で教育終了予定です。また、2018年1月時点では、専門看護師は13分野、認定看護師は21分野が対象とされていました。
専門看護師と認定看護師では、ケアの対象とする範囲が異なります。
• 認定看護師:主に患者様に対して看護を行います。
• 専門看護師:「患者様とそのご家族」に対してトータルでケアを行います。例えば、在宅看護の患者様に対し、看護中のご家族の相談を受けたり、地域の訪問看護施設へ働きかけたりしながら、多くの人と連携したサポートを行うことが可能です。
資格取得のためには、まず共通して看護師として5年以上の実践経験が必要です(うち3年以上は専門分野での実務)。その後の教育課程が大きく異なります。
• 専門看護師:看護系大学院の修士課程にて、約2年間で38単位の取得と研究活動を行うことが必須です。
• 認定看護師:日本看護協会が指定する認定看護師教育機関で、およそ6ヶ月〜1年(600時間以上)の所定のカリキュラムを修了する必要があります。
教育課程を修了したあと、いずれも認定審査に合格しなければ資格は取得できません。
一般的に、資格を得る難易度は認定看護師よりも専門看護師のほうが高いと言えます。
専門看護師は、修士課程の修了が必須であり、専門分野にかかわる深い知識を学ぶだけでなく、研究活動を通じて課題解決能力や分析力など、より高度な知識と研究能力が求められるためです。認定看護師の研修も高い水準を求められますが、専門看護師と比べると短期間で資格取得を目指すことができます。
資格を持つ人数にも大きな差があります。専門看護師は大学院修了という高いハードルがあるため、取得者数は認定看護師よりも少なくなっています。
2023年12月時点での登録者数は以下の通りです。
• 認定看護師の登録者数(A・B課程合算):24,095人
• 専門看護師の登録者数:3,316人
資格取得に必要な費用も、教育課程の違いから差が生じます。
• 認定看護師:約100万円が目安。
• 専門看護師:約200万円が目安(大学院に通うため高額になる傾向がある)。
認定看護師、専門看護師いずれも80%以上が病院で働いていることがわかっています。
一方で、専門看護師は、看護系の教育機関で働く割合が高い傾向があります。
勤務先 | 認定看護師 | 専門看護師 |
|---|---|---|
病院 | 89.9% | 82.3% |
訪問看護ステーション | 4.9% | 4.4% |
看護系の教育機関 | 1.2% | 8.9% |
診療所 | 1.6% | 0.5% |
両資格とも、現場での実践経験を活かし、看護チームのリーダーや教育担当として活躍しており、中間管理職として働くケースが多いです。
職位 | 認定看護師 | 専門看護師 |
|---|---|---|
スタッフ(非管理職) | 32.3% | 35.5% |
中間管理職(主任、副看護師長、看護師長) | 54.5% | 43.1% |
管理職(副看護部長、看護部長、副院長) | 5.7% | 8.1% |
管理職などではないが資格を活かした役割がある | 6.5% | 9.2% |
出典:公益社団法人日本看護協会:2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査

どちらの資格を目指すかは、将来どのような看護師になりたいか、どのような活動を通して看護に貢献したいかによって変わってきます。
専門看護師は、より高度な知識や技術を持ち、教育や研究、地域連携などの幅広い視点から看護の問題に取り組みたい方に向いています。
• 現場でのケア提供だけでなく、より専門的で影響範囲が広い仕事をしたい人。
• より良い看護ケアのために、専門分野の看護研究を深めたい人。
• 周囲の医療関係者も巻き込み、医療体制を整える活動(調整、倫理調整、教育)がしたい人。
• 患者様だけでなく、ご家族や地域社会全体を視野に入れた支援をおこないたい人。
認定看護師は、特定の分野でのケアを実施して貢献したいと考える方に向いています。
• 専門性の高い知識を身に付け、医療現場でより質の高い看護ケアを実践したい人。
• 特定の医療分野に特化したプロフェッショナルになりたい人。
• 常に現場の最前線に立って患者様と接していたい人。
• 看護実践を通して、ほかの看護師への指導や教育をおこなう役割を担うため、後輩の育成に熱意がある人。


専門看護師や認定看護師の資格取得には、大学院での学習や長時間の研修、そして現場での実践経験が求められます。特に訪問看護の分野で働く方々にとって、日々の訪問業務の合間に学習時間や研究活動の時間を確保することは大きな課題です。働きながら資格を取得する場合、事業所やチームの理解と協力、そして効率的な業務体制が不可欠です。資格取得に必要な「同行訪問」や「スクーリング」といった活動の時間を確保し、かつ現場のサービス提供に支障を出さないためには、業務の最適化が鍵となります。このような、看護師スタッフの資格取得を強力にバックアップし、生産性の高い働き方を実現するためのITツールとして、『ZEST』をご紹介します。

「ZEST SCHEDULE」は、利用者と職員のマッチング、複雑な業界条件、移動効率を考慮し、訪問スケジュールを自動で作成します。この機能により、複雑な調整にかかる管理者・サ責の負担を大幅に削減し、管理者はスタッフの育成や本来業務に集中できる時間を創出できます。また、資格取得を目指すスタッフが、教育課程で必要な同行訪問の時間を確実に組み込めているかを確認したり、長期間にわたるスクーリング(研修)を考慮したスケジュールも簡単に作成することが可能です。さらに、Googleマップ連携による最適な移動ルート提示で、スタッフの移動負担を軽減し、訪問件数増加と同時に、業務に「ゆとり」を生み出します。

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「ZEST BOARD」は、経営に必要な数値を自動で集計・グラフ化し、事業所の「見える化」を促進します。スケジュールデータから、訪問件数、移動時間、アイドリングタイム、そして弊社独自のアルゴリズムで算出するスタッフの負荷指数を算出できます。この数値をもとに、資格取得に向けた活動(同行訪問や研修など)を考慮した公平な評価が可能になり、スタッフの働く満足度や環境整備に繋がります。これは、キャリアアップを目指す看護師の採用・定着に直結します。『ZEST』は、資格取得を目指すスタッフを業務面からサポートし、多忙な看護現場で「学び」と「実践」を両立できる環境を実現します。
深い知識と高い技術を持った「専門看護師」と「認定看護師」は、どちらも今後の看護の現場を担っていく責任の大きな役割を持った看護師です。
専門看護師と認定看護師、どちらがすごいということはありません。それぞれの資格がカバーする領域や役割が異なるため、優劣をつけるものではないからです。
ご自身が「どのような看護をしたいか」「どのようなキャリアを築きたいか」という目標に応じて、最適な資格を選ぶことが重要です。また、資格取得にかかる時間や難易度、費用も異なりますので、この点も考慮して慎重に検討することが大切です。
これらの資格を取得することで、看護師としての仕事の幅がぐっと広がるでしょう。
ZESTでは、毎日無料オンライン説明会を行っておりますので、ご興味がございましたら是非お申込みください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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