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訪問看護における医療保険適用の条件:介護保険との違いと優先順位を徹底解説

訪問看護における医療保険適用の条件:介護保険との違いと優先順位を徹底解説

公開日時:2024.11.7

更新日時:2026.2.27

訪問看護における医療保険適用の条件:介護保険との違いと優先順位を徹底解説のバナー

訪問看護サービスは、自宅で療養生活を送る方にとって重要な支援です。このサービスを利用する際、公的保険制度として医療保険または介護保険のいずれかが適用されますが、適用される保険は利用者の年齢や病状、介護認定の有無によって細かく規定されています。

本記事では、訪問看護で医療保険が適用されるための具体的な条件、介護保険との優先順位のルール、そして訪問頻度に関する制限と例外について、詳しく解説します。

訪問看護で利用できる公的保険制度の概要

訪問看護は、保健師、看護師、准看護師、または理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが自宅を訪問し、療養生活の看護やリハビリテーションを行うサービスです。全ての年齢の在宅療養者に対して訪問看護が提供可能ですが、利用する保険制度が2種類あるため、適用条件の確認が不可欠です。

医療保険と介護保険の基本的な違い

訪問看護サービスに適用される公的保険は、主に医療保険介護保険の2種類です。

医療保険
病気や怪我の治療費をカバーするもので、健康保険法などに基づきます。小児から高齢者まで、すべての年齢の方が対象となりえます。

介護保険
40歳以上の方が加入し、要介護状態になった際に介護サービスを受けるための制度です。

原則として、要支援・要介護認定を受けている方(第1号被保険者:65歳以上、第2号被保険者:40歳以上65歳未満で特定疾病(16種類)が原因で要介護・要支援認定を受けた方)は、介護保険からの給付が最優先されます。

要介護・要支援認定

要介護・要支援認定

16特定疾病以外

16特定疾病

40歳未満

医療保険

40歳~65歳未満

医療保険

介護保険

65歳以上

医療保険

介護保険

医療保険の自己負担割合と高額療養費制度

医療保険が適用される場合、年齢や所得に応じ、診療報酬の自己負担割合が定められています。

年齢

自己負担割合

小学校入学前まで

2割

小学校入学後~69歳

3割

70歳~74歳

2割または3割(所得による)

75歳以上(後期高齢者)

1割、2割、または3割(所得による)

また、医療保険制度には高額療養費制度があります。これは、1ヶ月の間に医療機関などで支払った自己負担額の総額が一定の上限を超えた場合、超えた分が支給される仕組みで、医療保険による訪問看護療養費もこの制度の対象です。

医療保険が適用される対象者と条件

医療保険による訪問看護の対象者は、年齢区分に応じて条件が設けられています。

年齢による区分と適用条件

以下のいずれかの条件を満たし、医師が訪問看護の必要性を承認した方が医療保険の対象となります。

1. 40歳未満の方

2. 40歳以上65歳未満の方で、16特定疾病の対象者ではない方。

3. 65歳以上の方で、要支援・要介護の認定を受けていない方。

介護保険よりも医療保険が優先される特例

本来介護保険の対象となる、要介護・要支援の認定を受けている方であっても、以下のいずれかの条件に該当する場合は、医療保険が優先して適用されます

厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)に該当する方。

• 病状の悪化等により、医師から特別訪問看護指示書が発行された期間にある方(急性増悪期、退院直後など)。

精神科訪問看護が必要な方(ただし認知症を除く)。

医療保険優先の鍵となる「別表第7」と「別表第8」の違い

医療保険の利用条件を理解する上で重要なのが、「厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)」と「厚生労働大臣が定める身体状態等(別表第8)」の違いです。

項目

別表第7(疾病等)

別表第8(状態等)

定義

末期の悪性腫瘍、ALS、人工呼吸器を装着している状態など、医療的介入の必要性が高い20種の疾病や状態。

在宅悪性腫瘍患者指導管理や気管切開、胃ろう、褥瘡、在宅酸素療法など、特定の医療的管理が必要な「状態」。

適用保険への影響

要介護認定を受けていても、医療保険での訪問看護利用へ移行する

別表第8に該当するだけでは、介護保険利用者は介護保険の利用を継続する(別途、別表第7該当や特別指示書が必要)。

出典:厚生労働省 特定疾病の選定基準の考え方

医療保険利用時の訪問頻度と時間制限

医療保険による訪問看護には、サービス提供回数や時間に関して原則的な制限が設けられています。

原則的な利用制限

基本的に、医療保険の訪問看護は、利用者1人につき週3日まで、1日1回までと定められています。また、1回の訪問時間は30分から90分以内とされています。

なお、訪問看護ステーションからのサービス提供は、同一日に複数のステーションから受けることはできません。

週4日以上、複数回訪問が認められる例外

利用者の病状が重篤である場合など、特定の条件を満たす場合は、週3日の制限を超え、週4日以上、かつ1日に2~3回の頻回な訪問(難病等複数回訪問看護)が可能となります。

頻回訪問が認められる主な条件は以下の通りです。

• 厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)に該当する方。

• 厚生労働大臣が定める身体状態(別表第8)に該当する方。

• 医師から特別訪問看護指示書が交付された期間にある方。

また、週7日の訪問看護が計画されている場合は、例外的に最大3カ所の訪問看護ステーションからの訪問が認められています。

特別訪問看護指示書とは

通常の訪問看護の利用回数(週3日まで)では対応できない、急性増悪、終末期、または退院直後などの理由で一時的に頻回な訪問看護(週4日以上)が必要となった場合に、主治医から「訪問看護指示書」とは別に交付されるのが特別訪問看護指示書です。

この指示書による訪問看護は医療保険が適用され、指示期間は基本的に月1回、最長14日間を限度とします。

医療保険と介護保険の利用条件比較

医療保険と介護保険の利用条件には、制限や費用において大きな違いがあります。

項目

医療保険

介護保険

支給限度額

上限なし(ただし訪問日数に制限あり)

上限あり(要介護度に応じて異なる)

利用回数(原則)

週3回まで(特例で週4日以上、複数回訪問可)

制限なし(ただし支給限度額の範囲内)

利用時間

1回30分~90分

20分未満から90分未満の4区分から選択可能

報酬単位

全国一律(10円/単価)

地域区分によって変動

介護保険の場合、訪問看護以外の介護サービスも含めて支給限度額の範囲内で利用するため、実際には訪問回数が週1~2回に抑えられることが多いという特徴があります。

訪問看護サービス利用開始までの流れ

訪問看護を利用開始するまでの流れは、適用される保険によって異なります。

ステップ

医療保険の訪問看護

介護保険の訪問看護

① 相談・申請

利用者/家族が主治医に相談。

介護保険の申請(要介護認定)を行う。

② 指示書発行

主治医が訪問看護の必要性を判断し、訪問看護指示書を発行。

主治医による訪問看護指示書の発行。

③ 計画策定

訪問看護ステーションが訪問看護計画を作成。医療保険ではケアプラン作成は必須ではない。

ケアマネジャーが要介護認定結果に基づき、ケアプランを作成。

④ 契約・開始

訪問看護ステーションと契約後、サービス開始。

ケアプランに合うステーションを選択し、契約後にサービス開始。

よくある質問(Q&A)

医療保険と介護保険の併用は可能か

医療保険と介護保険を同時に併用して訪問看護を利用することはできません。ただし、介護保険の支給限度額を超えてしまい、医療的ケアが不足する場合などには、限度額を超える不足分を特別訪問看護指示書(医療保険適用)によって月14日まで利用する、といったように、期間を区切って保険を使い分けることは可能です。

医療保険利用時にケアプランは必要か

医療保険が適用される訪問看護サービスを利用する場合、介護保険で必要とされるケアプランの作成は不要です。サービスは主治医から交付された訪問看護指示書と、ステーションが作成する訪問看護計画に基づいて実施されます。

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まとめ

訪問看護の保険制度は、まるで複数の道路標識に例えられます。通常は「介護保険」という一般道を走りますが、別表第7という名の「重篤疾患優先レーン」や、特別訪問看護指示書という名の「一時的な緊急通行許可」が示された場合にのみ、「医療保険」という別の道を選択できる、と理解すると、優先順位と例外条件が明確になります。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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