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訪問介護の緊急時訪問介護加算とは?単位数や算定要件、算定のポイントを解説

訪問介護の緊急時訪問介護加算とは?単位数や算定要件、算定のポイントを解説

公開日時:2025.3.28

更新日時:2026.7.13

利用者さんやご家族からの急な要請に対応する「緊急時訪問介護加算」。

24時間対応が求められる訪問介護において、緊急時の迅速な対応を評価する重要な加算です。しかし、実際に算定できている事業所は全体の4.30%と少ないのが現状です。

この記事では、2024年度介護報酬改定に対応した緊急時訪問介護加算の単位数、算定要件、そして算定のポイントを徹底解説します。さらに、事例やQ&Aも交え、現場で役立つ実践的な情報もご紹介しています。

緊急時訪問介護加算とは

緊急時訪問介護加算とは、利用者さんまたはそのご家族等からの要請に基づき、訪問介護事業所がケアマネジャーと連携し、計画にはないの緊急の訪問介護を行った場合に評価される加算です。これは、24時間対応が求められる中で、急な支援が必要になった際に迅速に対応できる体制を評価し、利用者さんやそのご家族に安心感を提供することを目的としています。

緊急時訪問介護加算の対象サービス

「訪問介護」の事業所のみが加算できます。

緊急時訪問介護加算の単位数

100単位/1回

緊急時訪問介護加算の算定要件

利用者さんやそのご家族等からの要請を受けて、サービス提供責任者がケアマネジャーと連携を図り、ケアマネジャーが必要と認めたときに、サービス提供責任者又はその他の訪問介護員等が居宅サービス計画にない訪問介護(身体介護)行った場合に算定可能とされています。

緊急とみなされる要件

身体介護

独居世帯や老老介護世帯で、要介護者が歩けないのに歩こうとしての転倒、ベッドから転落、座り込んだまま動けない、予測できない失禁の介助清拭等

急な体調不良

発熱、嘔吐、下痢、痛み、意識混濁、バイタル異常、不穏状態で、医師との連絡や場合によっては通院、救急車の手配など

家族の都合

寝たきりで全介助または重度認知症により常時見守りが必要な状態だが、同居家族がやむをえない事情で留守にする場合

緊急時訪問介護加算を算定する際のポイント

緊急時訪問介護加算を算定する際に気を付けなければならない点があります。今回は算定時のポイントを8つご紹介いたします。

居宅サービス計画に位置付けられていない身体介護中心のサービスであること。

緊急時訪問介護加算は、事前にサービス計画に含まれていない、入浴、排泄、更衣介助といった身体介護を中心とした緊急の訪問介護に対して算定できます。「生活援助」「乗車・降車など介助」を中心としているサービス提供は対象外です。 計画に位置付けられているサービス内容や時間に変更が生じた場合は、原則として計画の変更で対応すべきであり、緊急時訪問介護加算の対象とはなら無いため注意しましょう。

サービスの提供時間が短い場合は、「身体介護20分未満」の単位数で加算を行います。

原則24時間以内のサービス提供

緊急時訪問介護加算は、利用者さん本人またはそのご家族からのサービス提供の要請があって初めて検討されます。 その要請を受けてから、原則24時間以内にサービスを提供する必要があります。 しかし、原則24時間以内ですが、実際には迅速に対応できるような体制を整えておく必要があります。

ケアマネジャーがサービス提供を「緊急」と判断し、連携が図られていること

緊急時訪問介護加算の算定には、ケアマネジャーが、通常の計画には含まれず緊急で訪問介護が必要であると判断することが不可欠です。 原則として事前にケアマネジャーと連携し、指示や判断を仰ぐ必要があります。 ただし、やむを得ない事情で事前に連携が取れなかった場合でも、事後にケアマネジャーが必要と認めた場合は算定が可能です。

利用者さんまたはその家族に事前に同意を得ておく

 緊急時訪問介護加算を算定するにあたり、介護サービス事業者は、事前に利用者さんまたはそのご家族に対して、加算の算定要件や趣旨について書面などで説明し、同意を得ておく必要があります。 これは、サービス内容や費用について利用者さんが十分に理解した上でサービスを利用するための重要な手続きです。

原則1回の要請につき1回のみ算定可能

 緊急時訪問介護加算は、1回の緊急の要請に対して、原則として1回のみ算定できます。 同じ月の間に同一の理由で頻繁に加算が算定されるような状況は、緊急時とは考えにくいため、居宅サービス計画の内容を見直して対応する必要があります。

医療保険との併用不可

緊急時訪問介護加算は介護保険の給付であり、医療保険の24時間対応体制加算とは併用できません。介護保険と医療保険は同時に同一のサービスに対して給付を受けることは原則としてできません。

複数事業所利用時の算定

利用者さんが複数の訪問介護事業所を利用している場合、緊急時訪問介護加算を算定できるのは、実際に緊急対応を行った1つの事業所のみです。

算定に必要な書類の用意

緊急時訪問介護加算を適切に算定するためには、必要書類を事前に準備しておくことが重要です。加算の適用を円滑に進めるためには、提供した訪問介護サービスの内容を詳細に記録したサービス提供記録とともに、算定要件を満たしていることを証明する書類を揃えておく必要があります。

具体的に準備する必要がある書類としては、一般的に以下のものが挙げられます。

・緊急時訪問介護加算に係る届出書
・勤務体制・勤務形態一覧表(算定日から4週間分/従業者全員分)
・訪問介護員の資格者証の写し

勤務体制・勤務形態一覧表においては、各日に緊急連絡を担当する者が誰であるかを明確にしておく必要があります。これらの必要書類が不足している場合や、算定要件を満たしていることを証明できない場合には、緊急時訪問介護加算が適用されない可能性があるため、注意が必要です。

緊急時訪問介護加算の算定可否の具体例

緊急時訪問介護加算を算定する際に、対象になるのか判断が難しい場合もあるかと思います。今回は具体的な事例をもとに、算定の可否や考え方をご紹介いたします。

事例

利用者さんの状況から夜間に排泄介助の必要性が想定されるが、時間、回数が定まっていないため、居宅サービス計画への位置付けを一切行っていない状態。
利用者さんから度々依頼があり、訪問するたびに毎回加算を行っている。

可否

×

考え方

排泄介助の必要性が当初から認められるのであれば、居宅サービス計画に位置づけを行うべきです。
サービス提供の必要性が想定されているにもかかわらず、居宅サービス計画に位置づけず、加算を算定することは適切ではありません。また、本事例ではサービス提供が度々行われており、「緊急」とも判断できず、加算の算定は認められません。

事例

利用者さんの状況から通常は想定されないものの、利用者さんから排泄介助の要請がある可能性があり、「排泄介助の対応が必要な場合がありうる」ことをサービス担当者会議において関係者間で確認し、ケアマネジャーが居宅サービス計画の第2表に記載した。
後日、利用者さんから当該内容の依頼があり、これに応じて対応し、当該サービス提供が、ケアマネジャーが「緊急」と判断したため、加算の算定を行った。この加算は妥当か。

可否

考え方

本事例では居宅サービス計画への位置付けがありますが、これは、日常的なサービス提供の必要性について想定したものではなく、発生した場合に対応する必要があることを確認し、記載したものです。

事例

居宅サービス計画に食事介助が位置付けられていた時間にヘルパーが訪問したところ、利用者さんの体調が思わしくなく、ヘルパーが急遽病院に連れて行くことになった。
通院介助のプランがない利用者さんであることから、算定は可能か。

可否

×

考え方

計画された時間に訪問した際にサービス内容を変更して対応した場合は、居宅サービス計画の変更によって対応すべきものであり、加算の算定はできません。

事例

利用者さんから自宅で体調不良となったため、訪問予定日外に通院の介助をお願いしたいとの依頼があり、居宅サービス計画にはない通院介助を行った。この対応について、緊急時訪問介護加算を算定した。
同じ利用者さんについて、今後も同様の可能性があるとして、サービス担当者会議を経て、その可能性について居宅サービス計画に位置付けたところ、同じ月内に再度同様の依頼があり対応したがこれにも加算を算定した。これらの加算は適切か。

可否

前半〇
後半×

考え方

初回の居宅サービス計画に位置付けられていない通院介助については、加算の要件を満たしていれば算定可能です。
しかし、同じ月内に再度対応した通院介助については、居宅サービス計画に位置付けられたものであるため、加算の算定はできません。

事例

通常は同居の家族が調理及び食事介助を行っているが、同居の家族がケガをし、病院へ行く必要があるため、これらが不可能となったことから家族からケアマネジャーに調理及び食事介助の要請があった。
訪問が予定されていない日であり、居宅サービス計画に位置付けのないサービス提供であったため、緊急時訪問介護加算を算定した。この場合の算定は可能か。また、翌日以降については、サービス提供の必要がないものと考え、居宅サービス計画への位置付けは行わなかった。このとき、初日と同様の依頼があった場合、算定は可能か。

可否

前半〇
後半×

考え方

初回については、居宅サービス計画に位置付けられておらず、訪問予定のない日であることから、食事介助が中心であって身体介護中心型により算定する場合は、算定可能です。
翌日以降については、サービス提供の必要な可能性があるものと想定し、居宅サービス計画に位置付けて、サービス提供を行うべきであるものと考えられることから、加算の算定はできません。
ただし、その状況から翌日以降の想定がし難く、緊急に対応すべきとケアマネジャーが判断した場合など、算定が可能となる場合もあります。

緊急時訪問介護加算のQ&A

厚生労働省より発表されている緊急時訪問介護加算に関するQ&Aを2つご紹介いたします。

Q.
緊急時訪問介護加算の算定時において、訪問介護計画及び居宅サービス計画の修正は必要か。

A.
緊急時訪問介護加算の算定時における事務処理については、次の取扱いとすること。
①指定訪問介護事業所における事務処理
・ 訪問介護計画は必要な修正を行うこと。
・ 居宅サービス基準第 19 条に基づき、必要な記録を行うこと。

②指定居宅介護支援における事務処理・ 居宅サービス計画の変更を行うこと(すべての様式を変更する必要はなく、サービス利用票の変更等,最小限の修正で差し支えない。)

なお、「居宅サービス計画に位置付けられていない(当該指定訪問介護を提供した時間帯が、あらかじめ居宅サービス計画に位置付けられたサービス提供の日時以外の時間帯であるものをいう。)訪問介護」とは、利用者又はその家族等から訪問介護(身体介護が中心のものに限る。)の要請を受けた時点で、居宅サービス計画書標準様式第3表や第6表に具体の時間帯としてサービス計画に記載されていない訪問介護のことをいう。このため、単に、居宅サービス計画に位置付けられていない訪問介護を行う可能性がある旨が、サービス提供の時間帯を明示せず居宅サービス計画に記載されている場合であっても、加算の算定が可能である。

Q.
緊急時訪問介護加算の算定時における訪問介護の所要時間はどのように決定するのか。

A.
要請内容から想定される、具体的なサービス内容にかかる標準的な時間とする。したがって、要請内容については適切に把握しておくこと。
また、本加算の特性上、要請内容からは想定できない事態の発生も想定されることから、現場の状況を介護支援専門員に報告した上で、介護支援専門員が、当初の要請内容からは想定しがたい内容のサービス提供が必要と判断(事後の判断を含む。)した場合は、実際に提供したサービス内容に応じた標準的な時間(現に要した時間ではないことに留意すること。)とすることも可能である。

なお、緊急時訪問介護加算の算定時は、前後の訪問介護との間隔は概ね2時間未満であっても所要時間を合算する必要はなく、所要時間 20 分未満の身体介護中心型(緊急時訪問介護加算の算定時に限り、20 分未満の身体介護に引き続き生活援助中心型を行う場合の加算を行うことも可能)の算定は可能であるが、通常の訪問介護費の算定時と同様、訪問介護の内容が安否確認・健康チェック等の場合は、訪問介護費の算定対象とならないことに留意すること。

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まとめ

今回は、訪問介護の緊急時訪問介護加算についてご紹介しました。
算定自体は難しくありませんが、算定率は低いことが現状です。紹介した算定要件やポイントを参考に計画的に取得していきましょう。

今回ご紹介した内容が、ステーションの働き方改革・収益拡大に繋がりますと幸いでございます。

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最後までお読みいただきありがとうございました。


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