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介護におけるアセスメントシートとは?重要性、書き方、項目、種類を徹底解説

介護におけるアセスメントシートとは?重要性、書き方、項目、種類を徹底解説

公開日時:2025.5.2

更新日時:2026.2.27

介護現場におけるアセスメントは、利用者さん一人ひとりに最適なケアプランを作成するための重要な第一歩です。この記事では、アセスメントの基本的な理解から、その目的、対象者、実施時期、具体的な流れ、そしてアセスメントシートの活用方法までを徹底解説します。アセスメントを深く理解することで、より質の高い介護サービス提供に繋げましょう。

アセスメントの基本的な理解

介護におけるアセスメントは、利用者さん一人ひとりの状態を深く理解し、最適なケアプランを作成するための重要なプロセスです。この章では、アセスメントの定義、重要性、モニタリングやフェイスシートとの違いなど、アセスメントの基本的な概念について解説します。

介護分野のアセスメントとは

「アセスメント」とは、英語の「assessment」に由来し、「評価」「査定」「判断」といった意味があります。

介護におけるアセスメントは、支援を必要とする高齢者の方が直面している課題を、客観的な視点で把握・分析し、明確化することを指します。具体的には、利用者さんの今置かれている状況、利用者さんの状態、ご希望、価値観、生活サイクル、生活環境、なども含めて総合的に分析し、本当に必要な支援が何なのかを的確に見極め評価を行う、課題分析の工程です。

利用者さん一人一人の状態などに合わせてケアプランや介護計画を作成し、介護サービスにおける個別ケアの実現には、アセスメントが最も重要と言えます。

不十分なアセスメントによるリスク

情報が不十分な状態でのケアは不適切なものとなり、以下のようなリスクが生じるおそれがあります。

・情報不足による不適切なケア
・事故の発生
・心理的な苦痛や苦情を招く
・利用者さんの自立を阻害する

モニタリングとの違いとは

アセスメントとモニタリングは混同されやすいですが、全く異なるものです。アセスメントは主にサービス利用開始前にケアプランを決定するための課題分析・情報収集であり、モニタリングは作成したケアプラン通りにサービスが提供されているか、ニーズとのギャップがないかを確認することです。ケアプランを中心に見れば、アセスメントは「事前」、モニタリングは「事後」の関係です。

フェイスシートとの違いとは

アセスメントは、利用者さん一人ひとりが適切な介護サービスを受けるために、抱えている課題やニーズを分析し、明確にすることです。一方、フェイスシートは、利用者さんの氏名、年齢、既往歴、家族構成など、その方の基本的な情報を記録したものです。

例えるなら、フェイスシートは利用者さんという「個」を知るためのカルテであり、アセスメントはそのカルテに基づいて、どのような支援が必要かを「分析」するプロセスと言えるでしょう。つまり、フェイスシートがあるからこそ、より深く、より個別化されたアセスメントが可能になるのです。

アセスメントの目的と対象者

アセスメントは、利用者さんの課題を明確にし、必要な支援を見極めることを目的としています。この章では、アセスメントの具体的な目的と、アセスメントを実施する対象者について触れ、多角的な視点からアセスメントを行うことの意義を理解します。

アセスメントの目的

アセスメントの目的は、利用者さんの課題分析を明確化し、何が本当に必要な支援なのかを的確に見極め評価を行うこと、そして一人一人に合わせたケアプラン作成を行うことなどが挙げられます。これにより、利用者さんが適切な支援を受けられるようにするための総合的な援助方針や適切な目標設定に役立ちます。

アセスメントの対象者

アセスメントを実施する際、その対象となるのは利用者さんだけではありません。利用者さんを支える上で重要な役割を担うご家族も、情報収集の対象となります。

さらに、状況に応じて、ご友人やご親戚、日頃から利用者さんの健康状態を把握している主治医や看護師の方々も、ヒアリングを通じて貴重な情報を提供してくださる場合があります。また、既に他の介護サービスを利用されている場合には、その事業所の担当者の方からも、サービス利用状況や課題について伺うことがあります。

このように、利用者さん本人から直接お話を伺うことを基本としつつ、様々な関係者の方々から多角的に情報を集めることで、より正確で、その方に本当に合った適切なアセスメントが実現できるのです。

複数のヒアリングの重要性

利用者さんご本人へのヒアリングを元にしながらも、複数の関係者から情報を収集することで、より正しく適切なアセスメントが可能となります。ご家族へのヒアリングは、利用者さん本人では曖昧な記憶の確認や、利用者さん・家族関係の把握、ご家族の意向を踏まえる上で不可欠です。必要に応じて主治医や担当の専門家に同席してもらうことも、より具体的な情報や医学的観点を得るために重要です。

アセスメントの実施時期と主な実施者

アセスメントは、ケアプラン作成の初期段階だけでなく、利用者さんの状況変化に応じて継続的に実施される必要があります。この章では、アセスメントを実施する適切な時期と、アセスメントを行う主な実施者について解説します。

アセスメントを実施する時期

アセスメントが主に実施されるのは、利用者さんのケアプランや介護計画を初めて作成する際の情報収集段階です。しかし、その役割は初期段階に留まりません。

利用者さんの心身の状態や生活環境は常に変化する可能性があるため、作成されたケアプランや介護計画も、状況に合わせて柔軟に見直す必要があります。具体的には、短期・中期・長期の目標期間を見直すタイミングはもちろんのこと、日々の介護サービスを提供する中で、利用者さんの状態に何らかの変化が見られた場合にも、速やかにアセスメントを実施し、計画を再検討することが重要です。

利用者さんの状況の変化に目を配り、適切なタイミングでアセスメントを実施することで、より質の高い、その方に合った介護サービスの提供に繋がるのです。

主な実施者

 一般的には、ケアプラン作成時にはケアマネジャーが、介護計画書は介護サービスの提供を実施する事業所が作成するため、生活相談員やサービス提供責任者がアセスメントを行います。

アセスメントの流れ

アセスメントは、事前準備から始まり、アセスメント実施、そしてケアプラン作成へと続く一連の流れで行われます。この章では、アセスメントの流れを「事前」「当日」「事後」の3つの段階に分け、具体的な手順とポイントを解説します。アセスメントの流れを把握し、スムーズなアセスメント実施に役立てましょう。

1.事前準備:アセスメントまでにすること

◦初回面談(インテーク)のアポイントメントを利用者さんご本人に取ります。

◦当日までに、手に入る範囲のアセスメント対象者の情報を整理しておきます。主治医や地域包括支援センターなどから事前情報を集めておくことで、当日現場でしか得られない深い情報収集に集中できます。

◦アポイントメントの電話の段階から、目的、準備するもの、所要時間などを伝え、利用者さんやご家族との信頼関係構築を始めます。

2.当日:アセスメント当日の流れ

◦訪問時間は利用者さんの負担にならないよう、1時間程度を目安とし、長くとも2時間以内に終わらせます。

◦訪問先へ向かう道中や、ご自宅の周囲の様子、玄関までのアプローチなども観察し、住環境を確認します。

◦自己紹介、介護保険の説明を行い、利用者さん・ご家族のご意向を確認します。

◦生活上の困りごとや不安、問題点などについて話をじっくり聞きます。インテークでは、世間話なども交えながら、利用者さんやご家族が話しやすい状況を作り、心の奥にある気持ちを引き出すことが大事です。

◦ご自宅の中を案内してもらい、移動の困難さや段差などをチェックします。問題となっている箇所だけでなく、今後なりそうな箇所も確認します。

◦ヒアリングした情報を簡単にまとめ、今後の方向性について利用者さん・ご家族に確認を取り、了承を得ておきましょう。具体的な生活行動に触れながら、「心配」「難しい」「嫌」といったネガティブなキーワードがあれば、改善策や要望を引き出します。

◦次回の訪問までに誰が何をするかといった役割ややることを全員で確認して終了します。

3.事後:ケアプラン作成とケアの実施

◦収集した情報をもとに、ケアプランの原案を作成します。

◦作成したケアプランをご本人様およびご家族に提示し、同意を得ます。

◦ケアプランに基づいた介護サービスの実施が開始されます。

◦サービス提供開始から約1ヶ月後にモニタリングとして面談を行い、支援内容の修正や変更点を検討します。その後も1ヶ月ごとにこれを繰り返すことで、ケアプランの精度が高まります。

アセスメントシートについて

アセスメントシートは、利用者さんの情報を整理し、ケアプラン作成に繋げるための重要なツールです。この章では、アセスメントシートの役割、書式、記入内容、効率的な管理方法について解説します。

アセスメントシートの役割

アセスメントシートは、利用者さんの生活状況や心身状態、ご要望などをもれなく収集し、整理するための情報ツールです。これに記入することで、利用者さんやご家族が置かれている状況や全体像を把握し、ケアプランにつなげていくことを目的としています。また、利用者さんの情報を、ご本人、ご家族、介護福祉士、看護師、理学療法士など、ケアに関わる様々な職種と共有するためのツールとしての役割も担っています。

書式について

アセスメントシートの書式に決まりはありません。Web上のフォーマットを利用したり、ケアマネジャーが独自に作成したりすることも可能です。ただし、厚生労働省が指定する「課題分析標準項目(23項目)」を満たしている必要があります。都道府県によっては、特定の様式を指定している場合もあります。居宅サービスに適したもの、施設サービスに適したものなど、様々な様式があります。

アセスメントシートに記入する主な内容

厚生労働省の課題分析標準項目に沿って、利用者さんの基本情報、生活状況、心身の状態、ADL/IADL、認知機能、コミュニケーション能力、社会との関わり、排泄、健康状態、居住環境、介護力など、多岐にわたる項目を記入します。

アセスメントシートの効率的な管理

アセスメントシートは利用者さんの重要な情報源であり、定期的な確認や他職種との共有に活用されるため、効率的な管理が重要です。紙媒体での保存は手間がかかるため、電子化してパソコンやタブレットで閲覧できるようにすると、管理の手間を減らせます。

厚生労働省の課題分析標準項目(23項目)

厚生労働省が定める課題分析標準項目は、アセスメントにおいて把握すべき重要な情報です。この章では、課題分析標準項目の概要、項目の種類と内容について解説します。標準項目を理解することで、アセスメントの質を高め、利用者さんの状況を的確に把握します。

課題分析標準項目の概要

厚生労働省は、支援を必要とする高齢者の課題を正確に把握するために「課題分析標準項目」を定めています。

項目の種類と内容

「基本情報に関する項目」と「課題分析(アセスメント)に関する項目」の2種類があり、全部で23項目あります。

また、2023年度の改正では、基本情報に関する項目は利用者さんのより細かい点までアセスメントを行う方針になりました。課題分析に関する項目は、利用者さんの体調や身体機能などに関する情報をより細かく聞き出す内容に設定されています。

厚生労働省は「すべての項目の情報収集を求めるものではない」と通知しています。アセスメント項目が複雑なものになってしまったため、先にケアプランを作成し、後から法令遵守の観点でアセスメントシートを完成させるのが常態化しているという意見もあります。

基本情報に関する項目(9項目)

項目

内容

基本情報
(受付、利用者等基本情報)

居宅サービス計画作成についての利用者受付情報(受付日時、受付対応者、受付方法等)、利用者の基本情報(氏名、性別、生年月日、住所、電話番号等の連絡先)、利用者以外の家族等の基本情報、居宅サービス計画作成の状況(初回、初回以外)について記載する項目

受付日時:2025年5月2日 9:30
受付対応者:ケアマネージャー 小林
受付方法:病院の地域連携室からの紹介
利用者の基本情報
氏名:鈴木 一郎
性別:男性
生年月日:1945年4月18日
住所:杉並区〇〇
電話番号:03-XXXX-XXXX
利用者以外の家族等の基本情報
妻氏名:鈴木 陽子
続柄:妻
連絡先:同上居宅
サービス計画作成の状況:退院に伴う初回

これまでの生活と
現在の状況

利用者の現在の生活状況、これまでの生活歴等について記載する項目

現在の生活状況
退院後、妻と二人暮らし。
主に自宅で過ごす。
これまでの生活歴
元会社員(営業)。
社交的な性格で、ゴルフや旅行を好んでいた。
3ヶ月前に脳梗塞を発症し、右片麻痺が残存。

利用者の社会保障制度の
利用情報

利用者の被保険者情報(介護保険、医療保険等)、年金の受給状況(年金種別等)、生活保護受給の有無、障害者手帳の有無、その他の社会保障制度等の利用状況について記載する項目

介護保険:要介護3
保険者:杉並区
医療保険:後期高齢者医療保険
年金の受給状況:老齢基礎年金、老齢厚生年金
生活保護受給の有無:なし
障害者手帳の有無:身体障害者手帳(等級は退院後に申請予定)
その他の社会保障制度等の利用状況:なし

現在利用している支援や
社会資源の状況

利用者が現在利用している社会資源(介護保険サービス・医療保険サービス・障害福祉サービス、自治体が提供する公的サービス、フォーマルサービス以外の生活支援サービスを含む)の状況について記載する項目

介護保険サービス:退院後のサービスはこれから検討
医療保険サービス:定期的なリハビリテーション外来(週2回)
障害福祉サービス:退院後に申請予定
自治体が提供する公的サービス:まだ利用なし
フォーマルサービス以外の生活支援サービス:なし

日常生活自立度
(障害)

「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」について、現在の要介護認定を受けた際の判定(判定結果、判定を確認した書類(認定調査票、主治医意見書)、認定年月日)、介護支援専門員からみた現在の自立度について記載する項目

現在の要介護認定を受けた際の判定
判定結果:ランクC2(日常生活を送る上で、部分的な介助が必要)
判定を確認した書類:認定調査票、主治医意見書
認定年月日:2025年4月15日
介護支援専門員からみた現在の自立度
右片麻痺のため、移動や更衣など多くの場面で介助が必要。

日常生活自立度
(認知症)

「認知症高齢者の日常生活自立度」について、現在の要介護認定を受けた際の判定(判定結果、判定を確認した書類(認定調査票、主治医意見書)、認定年月日)、介護支援専門員からみた現在の自立度について記載する項目

現在の要介護認定を受けた際の判定
判定結果:ランクI(家庭内での日常生活はほぼ自立している)
判定を確認した書類:認定調査票、主治医意見書
認定年月日:2025年4月15日
介護支援専門員からみた現在の自立度
認知機能は概ね保たれている。

主訴・意向

利用者の主訴や意向について記載する項目

利用者
「以前のように自分で歩けるようになりたい」「趣味のゴルフをまたやりたい」
家族等
「自宅で安心して生活できるよう、必要な介護サービスを検討してほしい」「リハビリを頑張ってほしい」

認定情報

利用者の認定結果(要介護状態区分、審査会の意見、区分支給限度額等)について記載する項目

要介護状態区分要介護3
審査会の意見:右片麻痺に対する積極的なリハビリテーションと生活支援が必要。
区分支給限度額:月額270,480円

課題分析(アセスメント)
理由

今回のアセスメントの実施に至った理由(初回、要介護認定の更新、区分変更、サービスの変更、退院・退所、入所、転居、そのほか生活状況の変化、居宅介護支援事業所の変更等)について記載する項目

脳梗塞による入院後の退院に伴う、初回居宅サービス計画作成のため

課題分析に関する項目(14項目)

項目

内容

健康状態

利用者の健康状態及び心身の状況(身長、体重、BMI、血圧、既往歴、主傷病、症状、痛みの有無、褥そうの有無等)、受診に関する状況(かかりつけ医・かかりつけ歯科医の有無、その他の受診先、受診頻度、受診方法、受診時の同行者の有無等)、服薬に関する状況(かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師の有無、処方薬の有無、服薬している薬の種類、服薬の実施状況等)、自身の健康に対する理解や意識の状況について記載する項目

身長:170cm、体重:65kg、BMI: 22.5
血圧:最高140mmHg、最低85mmHg(降圧剤服用中)
既往歴:高血圧、脳梗塞
主傷病:右片麻痺
症状:右上下肢の麻痺(特に手指の巧緻運動が困難)、軽度の構音障害
痛みの有無:なし
褥そうの有無:なし
受診に関する状況
・かかりつけ医:〇〇内科(月1回定期受診)
・かかりつけ歯科医:あり・その他の受診先:リハビリテーション科(週2回)
・受診頻度:週3回程度・受診方法:妻が付き添い、またはタクシー
・受診時の同行者の有無:あり(主に妻)
服薬に関する状況
・かかりつけ薬局:〇〇薬局
・かかりつけ薬剤師:なし
・処方薬の有無:あり(降圧剤、抗血栓薬)
・服薬している薬の種類:アムロジピン錠5mg(朝)、クロピドグレル錠75mg(朝)
・服薬の実施状況:妻が管理自身の健康に対する理解や意識の状況麻痺の回復に意欲的だが、焦りも見られる。

ADL

ADL(寝返り、起きあがり、座位保持、立位保持、立ち上がり、移乗、移動方法(杖や車椅子の利用有無等を含む)、歩行、階段昇降、食事、整容、更衣、入浴、トイレ動作等)に関する項目

寝返り:困難、介助が必要
起きあがり:一部介助が必要
座位保持:支えがあれば可能
立位保持:困難、全介助
立ち上がり:全介助
移乗:全介助(ベッドから車椅子など)
移動方法:車椅子(自走は左手のみで困難)、介助が必要
歩行:困難、全介助
階段昇降:不可
食事:一部介助(自助具を使用すれば 自立)
整容:一部介助(左手のみで可能な範囲)
更衣:全介助
入浴:全介助
トイレ動作:全介助

IADL

IADL(調理、掃除、洗濯、買物、服薬管理、金銭管理、電話、交通機関の利用、車の運転等)に関する項目

調理:不可
掃除:不可
洗濯:不可
買物:不可
服薬管理:全介助
金銭管理:妻が管理
電話:左手で操作可能
交通機関の利用:不可
車の運転:不可

認知機能や判断能力

日常の意思決定を行うための認知機能の程度、判断能力の状況、認知症と診断されている場合の中核症状及び行動・心理症状の状況(症状が見られる頻度や状況、背景になりうる要因等)に関する項目

認知機能は概ね正常。
判断能力に特に問題は見られない。
脳梗塞による高次脳機能障害の兆候は今のところ認められない。

コミュニケーションにおける
理解と表出の状況

コミュニケーションの理解の状況、コミュニケーションの表出の状況(視覚、聴覚等の能力、言語・非言語における意思疎通)、コミュニケーション機器・方法等(対面以外のコミュニケーションツール(電話、PC、スマートフォン)も含む)に関する項目

コミュニケーションの理解の状況:相手の話を理解できる。
コミュニケーションの表出の状況:軽度の構音障害があり、聞き取りにくいことがある。
視覚:良好。聴覚:良好。
言語・非言語における意思疎通:身振り手振りも交える。
コミュニケーション機器・方法等:必要に応じて筆談も検討。

生活リズム

1日及び1週間の生活リズム・過ごし方、日常的な活動の程度(活動の内容・時間、活動量等)、休息・睡眠の状況(リズム、睡眠の状況(中途覚醒、昼夜逆転等)等)に関する項目

1日及び1週間の生活リズム
・過ごし方:退院直後のため、まだ不安定。リハビリテーションを中心に過ごす。
・日常的な活動の程度:まだ低い。今後は徐々に増やしていく必要あり。
・休息・睡眠の状況:入院中の影響もあり、夜間の睡眠が浅いことがある。

排泄の状況

排泄の場所・方法、尿・便意の有無、失禁の状況等、後始末の状況等、排泄リズム(日中・夜間の頻度、タイミング等)、排泄内容(便秘や下痢の有無等)に関する項目

排泄の場所・方法:ポータブルトイレを使用。
尿・便意の有無:あり。
失禁の状況:時々、尿失禁が見られる。
後始末の状況:全介助。
排泄リズム:まだ不安定。
排泄内容:特に問題なし。

清潔の保持に関する状況

入浴や整容の状況、皮膚や爪の状況(皮膚や爪の清潔状況、皮膚や爪の異常の有無等)、寝具や衣類の状況(汚れの有無、交換頻度等)に関する項目

入浴や整容の状況:全介助が必要。清拭が中心。
皮膚や爪の状況:皮膚の状態に異常なし。爪の手入れは妻が行う。
寝具や衣類の状況:妻が管理し、清潔に保たれている。

口腔内の状況

歯の状態(歯の本数、欠損している歯の有無等)、義歯の状況(義歯の有無、汚れ・破損の有無等)、かみ合わせの状態、口腔内の状態(歯の汚れ、舌苔・口臭の有無、口腔乾燥の程度、腫れ・出血の有無等)、口腔ケアの状況に関する項目

歯の状態:自分の歯が多数残っている。
義歯の状況:なし。
かみ合わせの状態:問題なし。口腔内の状態:概ね清潔。
口腔ケアの状況:妻が主に介助。

食事摂取の状況

食事摂取の状況(食形態、食事回数、食事の内容、食事量、栄養状態、水分量、食事の準備をする人等)、摂食嚥下機能の状態、必要な食事の量(栄養、水分量等)、食事制限の有無に関する項目

食事摂取の状況:普通食。1日3回。 時々むせることがあるため、 見守りが必要。
摂食嚥下機能の状態:軽度の嚥下障害の疑いあり(退院後の評価が必要)。
必要な食事の量:医師の指示なし。
食事制限の有無:なし。

社会との関わり

家族等との関わり(家庭内での役割、家族等との関わりの状況(同居でない家族等との関わりを含む等)、地域との関わり(参加意欲、現在の役割、参加している活動の内容等)、仕事との関わりに関する項目

家族等との関わり:妻が主な介護者。娘が週に3回訪問。
地域との関わり:脳梗塞発症前は社交的だったが、現在は制限されている。
仕事との関わり:退職済み。

家族等の状況

本人の日常生活あるいは意思決定に関わる家族等の状況(本人との関係、居住状況、年代、仕事の有無、情報共有方法等)、家族等による支援への参加状況(参加意思、現在の負担感、支

本人の日常生活あるいは意思決定に関わる家族等の状況:妻(同居、 主な介護者)。
家族等による支援への参加状況:積極的に介護に参加する意思があるが、体力的な負担を心配している。
家族等について特に配慮すべき事項:介護負担の軽減、社会的な支援の必要性。

居住環境

日常生活を行う環境(浴室、トイレ、食事をとる場所、生活動線等)、居住環境においてリスクになりうる状況(危険個所の有無、整理や清掃の状況、室温の保持、こうした環境を維持するための機器等)、自宅周辺の環境やその利便性等について記載する項目

日常生活を行う環境:廊下やトイレに手すりの設置が必要。
居住環境においてリスクになりうる状況:玄関の段差、滑りやすい床材。
自宅周辺の環境やその利便性:比較的静かな住宅街。病院まではやや距離がある。

その他留意すべき
事項・状況

利用者に関連して、特に留意すべき状況(虐待、経済的困窮、身寄りのない方、外国人の方、医療依存度が高い状況、看取り等)、その他生活に何らかの影響を及ぼす事項に関する項目

右片麻痺のリハビリテーションの継続と、日常生活動作の改善に向けた支援が必要。
構音障害に対する言語療法の検討。
社会的な活動への参加意欲はあるものの、 身体的な制限が大きいため、参加しやすい活動を検討する必要がある。

出典:

厚生労働省 「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正について Vol.1178令和5年10月16日
厚生労働省 「課題分析標準項目の改正に関する Q&A」の発出について Vol.1179令和5年10月16日

代表的なアセスメントシートの種類

厚生労働省の課題分析標準項目以外にも、様々なアセスメントシートが存在します。この章では、代表的なアセスメントシートの種類と、それぞれの特徴について解説します。提供するサービスや利用者の状況に合わせて、最適なアセスメントシートを選択しましょう。

包括的自立支援プログラム(三団体ケアプラン研究会方式)

 1995年に3つの団体(全国老人保健施設協会、全国老人福祉施設協議会、介護力強化病院連絡協議会)が開発しました。主に施設で活用されていますが、在宅でも応用可能です。質の高い自立支援・生活支援を提供するためのアセスメント方式として評価されています。

居宅サービス計画ガイドライン(全国社会福祉協議会方式)

1998年に全国社会福祉協議会が開発しました。ケアマネジャーが充実した居宅サービス計画を作成することを支援するためのアセスメント手法として、独自のアセスメント様式とその使い方などがまとめられています。

アセスメント様式は全国社会福祉協議会のHPでダウンロードが可能です。
ダウンロードはこちら

MDS-HC方式(インターライ方式)

2009年に国際的な研究組織であるinterRAIによって、開発されました。在宅で介護が必要な人が対象で、在宅と施設の両方を利用する人の情報収集・分析基準として活用されています。機能面、精神面、感覚面、健康問題、ケア管理、失禁管理などを包括的に把握できます。

全老健版ケアマネジメント方式R4システム

2010年に公益社団法人 全国老人保健施設が、老人保健施設(老健)でのケアを老健の理念に適ったものにするために開発しました。単なるアセスメントツールではなく、多職種協働の実践促進のためのヒントが多く盛り込まれています。

ケアマネジメント実践記録方式(日本社会福祉士会方式)

1996年に公益社団法人日本社会福祉会が作成しました。在宅介護支援センターの知識などを生かし、在宅介護の継続や施設から家庭への復帰を目指しています。広範囲に調査分析でき、細かいケアマネジメントの実践に繋がりやすいです。

記録様式は公益社団法人日本社会福祉会のHPでダウンロードできます。
ダウンロードはこちら

日本介護福祉会方式

日本介護福祉士会において開発された様式です。要介護者の生活7領域(衣食住、体の健康、心の健康、家族関係、社会関係)で分析できます。ホームヘルプサービスの実績から作られており、要介護者の価値観、意思、環境といった項目を重視しているのが特徴です。

アセスメント様式は公益社団法人日本介護福祉士会のHPでダウンロードできます。
ダウンロードはこちら

日本訪問看護振興財団版方式

1996年に公益財団法人日本訪問看護財団より「日本版 アセスメントとケアプラン」の初版として発行されました。高齢者に限定せず、幅広く活用されています。30の課題領域についての項目があり、複数回のアセスメントを並列記入できるため、経緯をチェックしやすく質の評価に繋がります。

アセスメント様式は公益財団法人日本訪問看護財団のHPでダウンロードができます。
ダウンロードはこちら

アセスメント記入の際のポイント

アセスメントシートは、ケアに関わる様々な職種の誰もが見てわかる内容にする必要があります。そのために、いくつかのポイントがあります。

客観的かつ具体的に記載する

主観ではなく、客観的で具体的な内容で記載することが、誰が見ても同じように理解するための基本です。

「5W1H」の活用

「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」を意識して記載すると、文章が明確になり、誰でも理解しやすくなります。

必須項目以外の情報(趣味、趣向、習慣)の重要性

アセスメントシートの必須項目にはない場合でも、利用者さんの趣味や趣向、習慣などは必ずメモとして記録しておくべき重要な情報です。これらの情報が、問題の解決や緊急時の対応に役立つケースが多いです。利用者さんの生活状況を具体的に深掘りすることで、より最適なサービスが明確になります。

アセスメントにおける視点

平成12年の介護保険制度の実施より、社会福祉基礎構造改革における理念は「自立支援」です。これは「個人が人としての尊厳をもって、家庭や地域の中で、障害の有無や年齢にかかわらず、その人らしい安心のある生活が送れるよう自立を支援することにある」と定義されています。介護の究極の目的もこの理念に基づきます。この自立支援の理念を念頭に置いてアセスメントを行う必要があります。アセスメントには様々な視点がありますが、主に以下の3つが挙げられます。

1.身体的自立の視点

生活を維持・継続するために必要な動作(食事、排泄、入浴、着衣、移乗、歩行など)を自分で行えるかという視点です。ADLやIADL、排泄、口腔衛生、食事摂取などの項目がこれに該当し、居住環境も関連します。

2.精神的自立の視点

自分の意思で物事を判断し、自分の責任で行動できる能力があるかという視点です。認知能力の程度などがこれに関わります。

3.社会的自立の視点

社会や地域の中でルールを守り、周囲と良好な関係を保ちながら、経済活動や社会活動に参加し、社会の一員として役割を担えるかという視点です。これは、利用者さんが充実した生活を送る上で必須の要素です。

アセスメント実施の難しさとやりがい

アセスメントは、利用者さんごとの介護サービスを提供するために欠かせない業務ですが、難しさも伴います。

アセスメント実施の難しさ

多くの人は本当のことをなかなか話してくれなかったり、自分のことを話すこと自体を嫌がったりする場合があります。そのため、アセスメントを機械的に行うだけでは十分な情報を得られない難しさがあります。利用者さんの心を開き、心に寄り添うという、非常に難しいスキルが必要とされ、ある程度属人的なアプローチになりがちです。

アセスメント実施の責任とやりがい

アセスメントによって得られた情報が、その方の今後の人生を大きく変えてしまう可能性があるため、実施者は重大な責任を負います。しかし、アセスメントは介護の根幹をなす業務であり、利用者さんの生活をより良い方向に導くことに繋がるため、大きなやりがいのある仕事と言えます。ケアマネジャーにとっては、アセスメントを含む法定書類の整備負担が業務負担増の一因となり、人気の低下に繋がっているという指摘もあります。

このように、介護におけるアセスメントとその記録であるアセスメントシートは、質の高い個別ケアを実現するために不可欠なプロセスであり、多角的な視点と専門的なスキルが求められる重要な業務です。

収益改善改善プラットフォーム『ZEST』の活用で日々の訪問中のアセスメントも効率的に記録!

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「ZEST SCHEDULE」とは、スケジュール作成者に代わって、利用者さんの希望時間や利用者さんと職員のマッチング項目、職員の勤務シフトなどの条件に加え、担当者の固定やチーム制、ローテーション、複数名による同行訪問、施設やご夫婦への訪問など業界ならではの条件まで考慮し、人が考え抜いたかのような最適解をご提案するスケジュール自動作成システムです。最短1秒(※)でスケジュール作成ができるため、スケジュールを作成する管理者などの負担を軽減し、本来やるべき業務ができるようになります。

スケジュール管理に費やしていた時間をアセスメントや介護計画書をまとめる時間など、利用者さんのために使うことができます。

さらには、Googleマップと連携しているため、効率的な移動ルートを自動で計算し、効率的な訪問ルートで1日の訪問可能件数を増やし、スタッフの移動による負担を軽減します。

利用者さんの情報を登録する時点で、保険種別の登録を行い、訪問頻度や曜日の登録も行うので、保険種別や訪問時間、頻度を間違えてしまう心配も不要です。さらに、サービスによって色の変更がカスタマイズできるため、保険種別や特指示などによって、スケジュールの色をカスタマイズして、一目で見分けがつくようにすることも可能です。

※データ量、ネット環境、条件の複雑さによって時間は変動します。

『ZESTHUB』で訪問先でも簡単に確認・記録。生産性の高い働き方を実現

柔軟で先進的な働き方を実現する『ZEST HUB』では、『ZEST HUB』上で利用者さん情報、申し送りのメモが確認でき、カルテやレセプト、チャットツールなどにも簡単に遷移が可能です。時間がない中でもスムーズにアセスメント項目を記録・参照ができるため、業務を効率的に進めることができます。

さらに、『ZEST HUB』では、訪問予定に加え、訪問以外の予定、移動時間と空き時間も確認ができます。サービス担当者会議などの訪問以外の予定や空き時間を一目で確認できるので、「この空き時間でこの作業をしよう」と先を見据えたスケジュール管理が可能になり、空き時間を有効活用する生産性の高い働き方が可能になります。

『ZEST RRM』で連携先との関係性強化に貢献

在宅特化型の営業DXクラウド『ZEST RRM』では、営業経験の少ない医療・介護従事者の皆様が、効率的に地域連携強化を実現するためのソリューションです。

訪問看護の営業は一般企業の営業とは違い、営業が主な活動ではなく、訪問と訪問の合間などの空き時間などに地域連携先に訪問することが多いかと思います。ZEST RRMでは、ZEST SCHEDULEと連携しているため、スケジュール上の空き時間から、地域連携活動を追加することが可能で、自動レコメンド機能により営業効果の高い地域連携先を前後の訪問予定とエリアが近い順で提案されるため、空き時間で効率的な営業活動を実現します。

また、営業活動後はスマートフォンやタブレットなどから記録を残すことが可能です。相手の書簡などは4種類のアイコンを選択するだけなど、感覚的に記録を残せるようになっています。さらに、記録した営業活動の結果を、自動で集計し一覧で確認することができます。地域連携先からの紹介実績や接触数、課題発見率、解決率などの活動状況も数値で確認できるため分析結果から連携活動の質を高めることが可能です。

このようにZEST RRMを活用した営業活動を行っていくことで、より効率的に、効果の高い営業活動を実現することが可能です。

これらの、スケジュールの効率化による事業所全体の稼働率向上、ステーションの働き方改革の推進でスタッフの採用・定着、営業活動の効率化で引き合いの拡大、新規依頼の増加により売上向上につながり、継続的に収益を最大化し続けられるサイクルを回すことが可能です。

まとめ

アセスメントは、利用者さんの自立支援を実現するための基盤となる、介護における重要なプロセスです。適切なアセスメントを実施し、アセスメントシートを有効に活用することで、利用者さんのニーズに合致した、質の高い個別ケアを提供することができます。アセスメントの知識とスキルを深め、利用者さん中心の介護を実践していきましょう。

このコラムが、皆様のより良いアセスメント作成の一助となれば幸いです。

ZESTでは、毎日無料オンライン説明会を行っておりますので、ご興味がございましたら是非お申込みください。

お役立ち情報の他に無料セミナーなどを行っております。実際に『ZEST』を導入して業務効率化に成功している事業所の経営者にご登壇いただくセミナーもございますので、是非ご参加ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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