
皆さんは最新の訪問看護計画書と訪問看護報告書の書き方をご存じでしょうか。実は、医療保険用の訪問看護計画書・訪問看護報告書の記入様式は2020年3月に改訂されており、介護保険用の様式は2021年の介護保険報酬改訂の際に変更されています。正しい記入方法を学ぶことは、法律順守の観点だけでなく、利用者さんや主治医、ケアマネジャーとの信頼関係構築にも繋がります。
今回は訪問看護計画書と訪問看護報告書の記入方法と、記入する際に気を付けるべきポイントを実際のテンプレートを用いながらご紹介いたします。

訪問看護計画書・訪問看護報告書は、法律順守の観点で作成が必要不可欠です。主治医や利用者さんやご家族への提出も必要となるため、計画書と報告書がそれぞれどのように作成するのかを理解しておくことが重要です。ここでは、それぞれがどのような目的で作成されるのかを解説します。

「訪問看護計画書」は医師が発行した「看護指示書」にしたがって、利用者さんごとに訪問看護サービスを提供するための計画や看護師や介護士が現場で実施する具体的なケア内容を記述します。
記載内容は、厚生労働省で定められた指針に従い、記載要領など特定の情報を含む必要があります。そのため、厚生労働省のウェブサイトで公開されているテンプレートを活用することがおすすめです。
また、作成した訪問看護計画書は、主治医への提出が義務付けられており、利用者さん、ご家族への説明と同意を得て、交付することも義務付けられています。ケアプランを作成するケアマネジャーへの提出は義務付けられていませんが、提出しておくことでサービス提供に関与するすべての関係者が計画を理解し、円滑な多職種連携が可能になります。
参考(医療保険/精神訪問看護について:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000613544.pdf
介護保険について:https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000755007.pdf)
訪問看護報告書は、月に一度主治医への提出が義務付けられています。主治医の指示に基づき訪問日や病状、状態の変化、ケア内容を記載します。主治医は報告書をもとに訪問看護指示書の内容を改定する場合もあるため、正しく記載することが必要です。
また、訪問看護報告書はケアマネジャーや生活支援相談員への提出の義務はありませんが、訪問看護報告書の内容でケアプランの内容を見直す場合もあるため、事業所によっては提出をしたり、ケアマネジャー等から提出を依頼されるケースもあります。
利用者さんに関わる多職種が同じ認識であることが重要なので、共有しておいて損はありません。
訪問看護計画書の記入方法を、医療保険用看護計画書の書面をお見せしながらご説明いたします。実際にテンプレートをダウンロードして、一緒に記入していきましょう。
(テンプレート)
医療保険・精神訪問看護用/出展:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000613544.pdf
介護保険用/出展:https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/h29-nspt-guide-r3-1.pdf
基本情報の欄には、利用者さんの「利用者氏名」「生年月日」「要介護認定の状況」「住所」を記入をします。これらの情報はサービス提供の開始点となり、計画の個別化や提供するケアの内容を調整する際に重要です。
「看護・リハビリテーションの目標」欄には、主治医の指示書とケアマネジャーのケアプランに基づいて利用者さんが目指す姿を設定し、記入します。この時、「○○をできるようにさせる」ではなく、「○○ができるようになる」のように、利用者さん目線の言葉になるように気を付けましょう。また、利用者さんのモチベーションが上がるような、適切なレベルの目標がおすすめです。
「問題点・解決策」の欄には利用者さんの現状の問題点とそれに対する解決策をできるだけ具体的に記入します。目標と解決策がリンクし、計画が実行可能であるように計画します。
訪問看護計画書を初めて作成される際には、まだ実際のサービス提供と評価が行われていないため、ケア開始後の2か月目から評価データを記入することが一般的です。1か月間、訪問看護計画書に沿って看護を提供した結果、改善や維持の可否を記載します。できなかった場合は再度アセスメントを行い、計画を継続すべきか、変更すべきかを検討し翌月の計画を練り直します。
「衛生材料等が必要な処置」欄には、衛生材料等の必要性の有無に〇をつけたのち、「処置の内容」「衛生材料(種・サイズ)等・必要量」を具体的に記入します。必要量の欄には1か月間に使用する必要量を記載します。
医療保険用の訪問看護計画書にある「訪問予定の職種」の欄には、訪問予定の職種と訪問日を記入します。看護師のみの訪問の場合、記載の必要はありません。
「備考」欄には、特別な管理が必要な場合や、介護・医療保険サービスの利用状況など留意事項や特記事項を記入します。
年月日・事業所情報の欄には、計画を作成した年月日・事業所名・管理者氏名を記入します。看護計画を見直し、修正を行った場合には年月日も修正日に変更します。見直しのみの場合も見直しを行ったお日にちを記載しましょう。
※作成者(介護保険の様式のみ)
介護保険の様式にある「作成者」欄には、作成者の氏名を記入し、該当する職種に○を付けます。
(出展:https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/h29-nspt-guide-r3-1.pdf)
訪問看護計画書は、病棟の計画書と異なり、利用者さんとご家族の方々にご覧いただき、同意を頂いたうえでケアが開始となるため、不快な思いや不安を誘発させないような書き方をする必要があります。利用者さんだけでなく、ケアマネジャーや主治医の方々との良好な関係を継続するために意識するとよいポイントをご紹介します。

訪問看護計画書を作成する過程で、訪問看護指示書やケアプラン、そして利用者さんやご家族の方々の課題を綿密に考慮しましょう。
訪問看護指示書とケアプランを確認してから訪問看護計画書を作成しなければいけないのは、主治医の指示が無いと法的に医療行為を行うことができないのに加えて、指示やケアプランに沿った正しい計画を立てるためです。特に、利用者さんのためと思いケアプランから外れたサービスを提供した場合でも、ケアマネジャーの立場からするとありがた迷惑になってしまう可能性があります。必ず、ケアマネジャーとこまめに連携を取りながら、訪問看護計画書を作成するようにしましょう。
利用者さんやご家族の方々という、医療の専門家ではない方に読んでもらうことを意識しましょう。特に、ケアの際に同席していないご家族の方々の立場では、利用者さんにどんな処置をしているのか心配であるのに加えて、支払っている金額は妥当なのかを判断する材料として訪問看護計画書を読んでいます。例えば、「薬物療法を管理する」という表現ではなく、「毎日の薬の飲み方やタイミングをサポートする」といった形で、具体的な行動やサポート内容を示すことが良いでしょう。
また、訪問看護師と比較して利用者さんと長い時間を過ごしているご家族の方々の協力によって、利用者さんの生活の質はさらに向上します。ご家族の方々に最大限協力してもらえるようにするためにも、利用者さんの状況をわかりやすく記載しましょう。
毎月1回の作成が目安とされている訪問看護計画書ですが、利用者さんの状態の変化、訪問看護指示書の更新、またはケアプランの見直しのタイミングで計画書を新たに作成または修正することがおすすめです。その時々に最適なサービスを提供することが、利用者さんの生活の質向上にとって最善であるだけでなく、医師からの指示や処方箋が変更された場合、それに基づいて訪問看護計画書も修正しなければいけません。利用者さんの日常生活や社会的背景、家族の協力体制の変化、利用者さんの目標達成への進捗に合わせて、訪問看護計画書を見直しましょう。それが利用者さんとご家族の方々との信頼関係構築に大きく役立ちます。
医療保険用のテンプレートを用いながら、訪問看護報告書の書き方をご紹介します。毎月一度、主治医向けに実施したケアを報告するための書類であるため、齟齬がないように記入しましょう。
(出展:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000613544.pdf)
利用者さんの基本情報欄には、「利用者氏名」「生年月日」「要介護認定の状況」「住所」を記入します。
「訪問日」の欄には訪問した日を○、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問した場合は◇、特別訪問看護指示書に基づく訪問看護を実施した日は△で囲い、緊急時訪問を行った場合は×を記入します。
「病状の経過」の欄には、利用者さんの病状や日常生活動作(ADL)の状況を記入します。
「看護・リハビリテーションの内容」の欄には、実施した訪問看護の内容を具体的に記入します。
「家族での介護状況」の欄には、利用者さんにご家族の方々が行った介護の状況、健康状態、療養環境を必要に応じて記入します。精神訪問看護では「家族等との関係」の欄に、同様の内容を記入します。
「衛生材料等の使用量および使用状況」の欄には、訪問看護計画書に「衛生材料等が必要」と記載した場合に、使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1か月間の使用量を記入します。
「衛生材料等の種類・量の変更」欄には、「有」もしくは「無」に〇を付け、「有」の場合は変更内容を記入します。変更内容欄には、利用者さんの療養状況を踏まえた上で、種類やサイズ、量の変更が必要な場合に記載をします。
医療保険、精神訪問看護の様式にある「情報提供」欄には、訪問看護情報提供療養費の算定に必要な情報提供を行った場合に、情報提供先と提供日を記入します。
「特記すべき事項」欄には、①から⑧で記入した内容以外に報告事項がある場合記入します。
年月日・事業所情報の欄には、年月日・事業所名・管理者氏名を記入します。
※①作成者名
介護保険の様式にある「作成者名」欄には、作成者の氏名を記入し、該当する職種に○を付けます。
(出展:https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/h29-nspt-guide-r3-2.pdf)
※②GAF
精神訪問看護の様式にある「GAF」欄には、月初めの訪問看護実施時のGAF尺度のスコアと判定日を記入します。
(出展:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000613544.pdf)
訪問看護報告書は主治医との信頼関係を構築する、そして多職種で連携して利用者さんへのケアの質を向上させるための書類です。法律を遵守する観点だけでなく、多職種間で誤りなく情報を共有するために気を付けるべきポイントをご紹介します。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問看護を提供した場合には、訪問看護報告書に「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護の詳細」の添付が必要です。出展に記載のurlからテンプレートを取得できます。具体的な記入例もurlに載っていますので、ぜひご活用ください。
(出展:https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/h29-nspt-guide-r3-2-1.pdf)
訪問看護報告書は、訪問看護指示書を交付する主治医が、指示書通りに医療行為をできているか確認するための書類であるため、提出先は主治医です。情報共有のために、ケアマネジャーや生活支援相談員などにも提出を求められる場合があります。利用者さんのケアを連携する職種の方々との意思疎通を十分に図ることができるように、提供したケアすべてを詳細に書き連ねるのではなく、相手にわかりやすい文章、文量で記入しましょう。


訪問看護は、今回紹介した訪問看護計画書・報告書の作成を含め、レセプトなど請求業務、訪問スケジュールの作成、サービス担当者会議、営業活動など様々な業務を行わなければなりません。そのため、効率化ができる業務は効率化を図り、時間にゆとりを生み出すことが重要です。
訪問看護の現場では、訪問スケジュールの作成・調整に多くの時間を使っています。その訪問スケジュールを自動作成できる『ZEST』では、スケジュール作成を自動化することで、スケジュール作成時間を平均で77%(月間28時間)削減が可能になります。
『ZEST』は今まで作成者の方が頭で考えていた、勤務シフト、利用者さんの情報、希望時間、利用者さんとスタッフの相性等を考慮し、Googleマップとの連携でルートも効率化された訪問スケジュールをボタン一つで作成します。
さらに、日々起こる変更や調整もホワイトボード上で動かすように、ドラック&ドロップで簡単に調整ができます。また、変更先で「移動時間が足りない」「担当のスタッフではない」などの場合にはお知らせしてくれるガイド機能も搭載しているため、誰でも調整が可能になります。
このように、『ZEST』をご活用頂くことで、多くの時間を生み出すことができ、訪問看護計画書・報告書の作成時間を十分に確保することが可能となります。
今回は訪問看護計画書と訪問看護報告書の記入方法と記入する際に気を付けるポイントをご紹介いたしました。
特に、『ZEST』のご活用頂くことで、移動時間やレセプト入力業務をかなり短縮でき、時間創出に貢献します。もしも、日々の訪問看護計画書・訪問看護報告書の作成のため残業せざるを得ない、もしくは利用者さんのために計画書をもっと丁寧に作成したい場合は検討してみてはいかがでしょうか。
ZESTでは毎日無料オンライン説明会を行っておりますので、ご興味がございましたら是非お申込みください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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