
二つ理由があります。一つ目は、小さい頃から医療が身近にあったことです。母親が看護師で、隣の病院で働いていたため、怪我をすると母の病院で診てもらったり、熱が出れば母の同僚の病院へ行くなど、自然と医療に触れる機会が多かったんです。母がスーパーで患者さんから声をかけられる姿を見て、看護師という仕事は人に喜ばれる、楽しい職業だと漠然と感じていました。
二つ目は、家族を支える看護師の役割を間近で見て、自分もそうなりたいと思ったからです。弟が病気になり、病院で過ごす中で、看護師の方々が患者さんだけでなく、家族にも温かく接している姿を見て、とても感動しました。特に、私が一人で病院で待っている時、看護師さんが声をかけてくれたことは、今でも忘れられません。家族を支える看護師の仕事は、とてもやりがいがあると感じ、この道に進もうと決心しました。
高校の進路選択で母に「看護師ってどう?」と聞いたら「私は好きでやってるけどな」と言われ、気がつけば看護学校の受験を決めていました。
看護学校卒業後は、集中治療室(ICU)を皮切りに、小児集中治療室、救急救命センターとキャリアを積み重ねました。救命センターでは、約1,000人の看護師の中からDMAT隊員に選抜され、現場で活躍しました。順調に見えるキャリアでしたが、マネジメントに興味を持ち始め、新たな道を探し求めるようになりました。
救急救命センターで働いていた際、新型コロナウイルスに感染し、2週間ほど入院しました。その間、キャリアについて深く考え、県立病院でトップに上がり副院長になるか、それとも自分で良い組織を作るかという二つの選択肢を検討しました。家族もいるし、家も購入していたため、病院の管理職を目指すことに傾いていました。しかし、職場復帰したところ、自分が不在の間、別のスタッフが昇進していたことを知りました。この時は非常に悔しかったのですが、ご縁がなかったと思い、7~8年勤務した病院の退職を決意しました。
一方で、救急現場で高齢者の搬送が多かったり、多くの方々を看取り、在宅医療の必要性をを痛感していました。退職後、看護小規模多機能型施設で働いていましたが、より一層、「在宅医療の現場で貢献したい、自分の理想とする医療を提供したい」という思いが強くなりました。
そんな中、起業の決意を固めたのは、副代表からの力強い言葉でした。「やるしかないやろ、優太がやるっていったらおれも一緒にやる」という言葉に背中を押され、私は訪問看護ステーションを開業する決意をしました。
副代表に相談し、10月末に起業を決意、11月5日には会社を設立しました。開業に関する知識はほぼゼロの状態から、車を売却して資金を調達し、夜勤をしながらも、隙間時間を活用して開業準備を進めました。移動は全て公共交通機関を利用し、移動中や夜勤中も、常に仕事のことを考えていました。計画性こそなかったものの、とにかく行動に移すことを優先し、目の前の課題を一つずつクリアしていきました。家族がコロナに感染した際は、事業が中断しないよう、事務所に寝泊まりして仕事に励んだりもしました...!
新規開拓の営業活動も苦労の連続でした。
約2週間に一度、立ち上げメンバーの4人で100~150件の訪問を行いました。
以前勤務していた事業所では、社内にケアマネジャーがいたため、外部のケアマネジャーとの繋がりがありませんでした。しかし、医療機関とはつながりがあったため、重症度や医療依存度の高い利用者さんの依頼が多く、「あの看護師さんはよく見てくれている」と認知を獲得して依頼を頂いていました。

「最後の砦」になりたいなと思っています。当ステーションで対応出来なかったら、他のステーションでも難しいだろうというレベルにまでなりたいですね。実際に、疾患が複雑に絡み合うような、高度なケアが必要な患者様に対して、当社の強みを発揮できると思います。
スタッフ数や規模も重要ですが、「急性期を最前線で経験した看護師が立ち上げた訪問看護ステーション」という特徴は、他のステーションとの差別化になります。「どうしたら良いかわからない」「難しい症例だ」というような、高度なケアを必要とする患者様に対して、「このステーションなら任せられる」という信頼を獲得したいと考えています。
そうすることで、「在宅でこれだけのことができるのか」と皆さんに思ってもらえるような、「first」ならでは世界観を確立したいと考えています。

訪問看護の魅力は、看護師の多岐にわたる役割にあると考えています。医療者として、病気の治療に関わるだけでなく、患者様の生活そのものに寄り添うことができる点に、大きな魅力を感じています。
一般的に、医師は病気の治療、ヘルパーさんは生活のサポート、ケアマネジャーさんは全体の調整という役割分担がされています。しかし、病気と生活の両方を深く理解し、両方の側面から患者様をサポートできるのは、看護師しかいないと思ってます。特に、訪問看護は患者様の自宅という生活の場に直接入り込むことで、病気だけでなく、生活環境や心理状態など、より広い範囲で患者様を理解することができます。
また、当ステーションでは「医学的な対応/医療機関との連携」と「生活へのサポート」という、二つの柱をバランス良く確立している点が強みだと思います。例えば、利用者さんのちょっとした悪化のときに、救急車呼ばずに、ちゃんと主治医に報告して、悪化を防げたり、緊急訪問行った際、医療機関との間に入ってスムーズに医療機関に繋げたときに、やりがいを感じます。
私の娘も障害があり、訪問看護を利用している経験から、その価値は深く実感しています。夜間など、医療機関が閉まっている時間に体調が悪くなった際、訪問看護師に相談できる安心感は非常に大きいです。専門的な知識を持った看護師が、患者の状態を的確に判断し、適切な医療機関につなげてくれることは、患者とその家族にとって大きな支えとなります。

スタッフ人数 15人
訪問エリア 神戸市灘区 東灘区 中央区
利用者数 約200人
提供サービス 訪問看護 居宅介護支援事業所
※2024/10/29時点
なんでも一番が良いと思って「first」という言葉を使っています。
医療者が関わることによって、健康になるだけでなく、生活=lifeが、より豊かになればいいなと思ってます。
看護師だからこそ、治療だけにこだわらずに生活を見ようという意味で、このような理念になっています。
「すぐに行く」「困っているケース大歓迎」「他がやらないことも全部やる」。
そもそも高齢者の救急搬送が多いから立ち上げたステーションなので、最初から、他の事業所が敬遠しがちなどんなケースも積極的に引き受けなければと考えていました。
また、経営には、「先行逃げ切り」と「後発差別化」の2つのパターンがあると考えています。私は、後発差別化から始めたのですが、困っているケース、土日祝日の訪問、医療依存度の高い方の訪問など、他の事業所が対応しにくいケースも「大丈夫、行きます」と積極的に引き受ける。この方針こそが、私たちの強みだと考えています。
社員一人ひとりに、会社の将来像を具体的に示し、共に目標に向かって進んでいけるよう、日々コミュニケーションを取っています。例えば、副代表には「来年は、新しいプロジェクトをスタートし、社員数も増やしていこう」といった具体的な目標を共有。社員たちには、「5年後にはfirstホールディングスになり、全員が経営者意識を持って、神戸の東側のNo.1になるぞ!」というビジョンを提示しています。
社員一人ひとりが、経営者意識を持って会社の発展に貢献してほしいと考えています。そのため、社員の意見を積極的に聞き、一緒に目標達成に向けて取り組んでいます。例えば、新しくチャレンジしているオウンドメディアの開設では、写真が得意な社員に声をかけ、一緒に写真を選んだり、カメラを購入したりするなど、社員のスキルを活かせるような機会を積極的に作っています。また、パート社員の方々にも、目標達成に貢献できるような制度を一緒に考え、社員全員が主体的に行動できるような環境づくりを目指しています。
トップダウンではなく、社員と対話し、共に課題解決に取り組んでいます。社員全員が同じ目標に向かって努力することで、強いチームワークが生まれ、会社全体の成長につながると信じています。そして、その過程で、社員一人ひとりが成長し、やりがいを感じられるような組織を目指しています。なので、仲良しこよしというよりは、共に成長する「仲間」というような気持ちで日々接していますね。
臨床の仕事をしたい!これにつきますね。
救命センターでドクターカーに乗務していた経験から、まだ助けることができる人々がいると感じています。在宅医療の現場で、私の経験が活かせるのではないかと思っています。
経営しながら臨床をするには時間が必要なため、採用支援、給与計算など、アウトソーシングを積極的にして、自分でやらない業務も決めています。これは、それぞれの専門分野のプロに任せることで、より効率的に仕事を進められると考えているからです。
臨床以外にも、看護師としてのスキルアップや、後輩の育成にも興味があります。そのため、ZESTもそうですが、新しい効率化のシステムなどの情報収集を積極的に行い、より効率的に時間を活用できる方法を探しています。
やっぱり、人って大切ですよね。一緒に働く人、そして外部で関わる人、みんなが本当に大切だと感じています。 昔もそう思っていましたが、色々な経験をして、辛い思いもたくさんしてきました。その結果、最終的にたどり着いた答えは、やっぱり人なんです。
神戸の東側で、「医療や介護のことなら、まずfirstに相談すれば、全部何とかなるやろ」という地域に根差した存在を目指しています。 例えば、ご家族が病院から退院される際、何を誰に聞いたら良いのか分からないじゃないですか。そういう状況になった時、firstに相談いただければ、必要な情報やサービスをご提供し、安心して生活に戻れるようサポートします。 この目標の実現に向けて、1割か2割くらいしか実現できていないと思っているので、地域の方々に信頼される医療・介護サービスを提供できるよう、日々努力を続けています。
DX化推進のために、ステーション運営のシステム作りに注力しています。
県外や全国に多店舗展開をしたいわけでは無く、全国からfirstのステーション経営・運営の見学に来てくれる方が増えていったら嬉しいなと思っています。僕みたいな熱い訪問看護ステーションの経営者が増えたら、他の地域も良くなると思います。それが全国に広がればいいなと思っています。

売上が伸びている状況下で、臨床の仕事をいつまで続けられるのか、常に挑戦しています。 会社が大きくなると、経営に比重を置きがちですが、私は看護師としての仕事を続けながら、経営と両立させたいと考えています。 そのため、アウトソーシングを積極的に活用し、時間の使い方を考えて仕事をしています。先月だけでも、一人で60件の訪問を行いました。
社長として尊敬されるためには、現場で働く姿を見せることが重要だと考えています。臨床や営業を通じて、社員に背中を見せ、行動で示すことで、より一層信頼を得られると考えています。 もちろん、売上状況によっては経営に専念することも視野に入れつつ、月60件訪問しながら、レセプトもやって、全部できる社長が良いなと思うので、可能な限り現場と経営の両立を目指したいと考えています。
株式会社first 代表取締役
経歴
集中治療室、ER型救命救急センターを立ち上げなどを経験。2022年4月にファースト訪問看護ステーション灘を立ち上げ、神戸市灘区を中心に事業展開中。
株式会社first HP:https://first1105-nada.com/
髙橋様 SNS
・X:ゆうた@訪問看護師/神戸市
・Instagram:訪問看護師ゆうた(髙橋優太)神戸市
ファースト訪問看護ステーション SNS
・Instagram:ファースト訪問看護ステーション灘◆採用担当◆
・Tiktok:神戸の1番ナース@訪問看護ファースト

