
高校まではバイクが好きだったのでバイク屋さんになりたかったんです。しかし、高校の時に、看護師の母から「資格は取っておいた方が良いんじゃないか」といわれ、准看護師の学校へ進学しました。
学生の時に母が癌になり、准看護師の学校に行っていることから、家族や親戚に「今どんな状態なの?」と聞かれたことが刺激になり、母親が病気という悲しさの中で甘えてられないなという反動でさらに勉強をしていた時期もありました。
看護師の母の姿を見ていたので、看護師の仕事は大変だということは分かっていて、実はやりたくないと思っていました。
准看護師の資格を取得後、看護助手として働きながら2年間様々な科をローテーションで回りました。その中でいろいろな刺激があり、そこで看護師の面白さに気づいていきました。
また、患者さんと関わる中で気になることは勉強したり、先輩に聞いたりすることで、知識量が増えていき、目に見えるものと知識が繋がるのが楽しくなっていきました。そこから学べば学ぶほど面白くなっていくようになりました。
もともと色々なものに興味を持ちやすい性格なので、その性格が活きているなと思いますね。
経歴としては、卒業後、20歳から病棟(一般外科)で3年間働き、働きながら夜間の正看護師の学校に通い、23歳で正看護師の資格を取得しました。その後、病院を辞め、救命センターに2年、国際医療センター(感染症病院)のオペ室を2年、慶応大学でオペ室を3年半経験した後に、営業職に転職しました。
いろいろな病院に勤めましたが、ずっと男性看護師として活躍できる場所を探していました。いろいろ勤める中で、オペ室が一番近いと感じたので、オペ室での勤務が一番長いですね。
手術は様々な機器を使用するのですが、その機器自体や機器を使った手術がかっこよく、「機器出し」の業務が一番面白いと感じるようになりました。看護業務よりも医療機器に興味を持つようになり、看護師の仕事に葛藤を覚えるようになりました。
オペ室では特にメーカーさんと関わる機会が多く、それを見ている中でメーカーの世界も見たいという気持ちになりました。
また、もともと病院の外にも目を向けていて、ビジネスに関わるイベントに参加したり、ドラッカー学会に入っていました。将来的にビジネスで成功したい・経営者になりたいという想いと、看護師に向いていないなという思いがあり、将来的に独立するために経営を学びたいと思い、営業職に転職をしました。

10年間、ドラッカー学会で学んだ営業とマネジメントを実践し、経験を積み、もともと40歳までに独立したいと思っていたので、起業を考えるようになりました。
メーカーの企業は現実的に難しいので、やりたいことよりも「できることは何か?」を考えたときに、看護師としてのライセンスも持っていますし、社会的に高齢化社会が問題になっていることも考えて、訪問看護で独立することにしました。
訪問看護は未経験で不安もありましたが、前職で培った「結果を出すために何をすべきか」という思考を活かし、自分の強みをどう活かすかを常に考えていました。
4月に開業予定で、2月末までメーカーで仕事をしていたので、時間が無く、開業のために本を買ったりしましたが、分からないことはすぐにコンサルに電話して聞くようにしていました。勉強も大事ですけど、やっぱり現場を見たり経験しないと分からないことも多いので、大きな損失や命に関わることは覚えていますが、それ以外は、実際に経験をして覚えていきましたね。

時間と結果を一番大切にしています。
病院から在宅に転職する理由で「病院では時間が無く利用者さんに向き合えない、訪問看護は時間がある」と聞くことが多いのですが、訪問看護こそ時間がないと思っています。訪問時間はその利用者さんに向き合うことはできますが、ターミナルケアが多いので、「実際にケアに入る期間」という意味の時間では、時間が限られていると思っています。そのため、限られた時間の中でどう結果を出すか、ということが大切だと考えています。
訪問看護における結果は、利用者さんからの「ありがとう」という言葉や、安心感を提供することだと考えています。限られた時間の中で、いかに利用者様に安心感を与えられるか。短時間の訪問でも安心していただけたら、それは成果と言えるでしょう。
また、個人の得意な分野も伸ばしつつ、得意ではない部分に対しても「だめだ」と思わせないようにする努力が必要だと思っています。スタッフが不得意なことを自覚すると、利用者さんにもそれが伝わってしまい、不安を感じさせてしまうんですよね。それをクリアするためには、克服することも大事ですが、上手く逃げる方法を身に付けるのも大事なのかなと思っています。
利用者さんの状況にもよりますが、主治医やケアマネさん、介護事業所の方など様々な業種の人が利用者さんと関わる中で、看護師が一番関わる時間が多く、近い存在であると思います。そして、ダイレクトに利用者さんから「ありがとう」といってもらえることが魅力ではないかなと思います。